キャンプブーム終焉は本当か? 編集者が潮流を解説「成熟期になり道具の選び方が変化してきた」

ギア選びが劇的に変化した2つの潮流とは?

  そういう意味では、昨今、ギア選びが変化する、2つの新しい潮流を感じている

■アウトドアリビング派

  キャンプ用のテーブルやチェアなどを、自宅で活用している人が増えている。アウトドアリビングを意識した居住空間は今や当たり前になっているし、コンパクトに畳めるキャンプギアなら引越しの際も楽だったりする。たとえばINOUT(イナウト)というブランドはその名の通り、屋内(イン)と屋外(アウト)をボーダーレスにつなぐ、部屋で過ごすスタイルを外に持ち出すことがコンセプト。家具クオリティなので、キャンプギアとしてみれば高額かもしれないが、家具とアウトドア兼用と考えれば決してコスパは悪くない。

■ULキャンプ派

  ULとはウルトラライトの略。そのルーツはロングトレイルハイカーが生み出した極限まで軽量に特化したギアのことを指すが、それらのギアをキャンプでも楽しむスタイルがにわかに盛り上がっている。すべてのギアをバックパックに収納できれば身軽となり、クルマで行けなかった場所も行けるなど自由さが増す。つまりキャンプが旅へと様変わりする。「ミニマライズキャンプ入門」(朝日新聞出版社)を監修したCAMPたかにぃが提唱するULキャンプスタイルは、軽量好きのキャンパーに厚く支持されている。

  スタイルが変化していけば、使う道具も見直されていく。

  それまで使ってきたキャンプギアをまとめてリセールすることも多々あるだろう。キャンプギア中古市場が活性化しているのは、こうしたサイクルも一因にあるはずだ。

  熟練のキャンパーは新たなキャンプスタイルを目指し、手放したギアをライト層が購入する。シーンが成熟してくとはそういうことだと思う。

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