『ブルーロック』オリヴァ・愛空に注目すべき理由とは? オッド・アイで未来を睨む、凄腕DFの魅力に迫る

 「青い監獄」と呼ばれる施設で世界一のストライカーを創る為に集められた300人のストライカーたちが凌ぎを削るデスバトルサッカー漫画『ブルーロック』(原作:金城宗幸/漫画:ノ村優介)。最強のストライカーを目指す選手達の前に立ちはだかる高い壁として随一の存在感を放っているのがU-20日本代表キャプテンを務めるオリヴァ・愛空(あいく)だ。

オリヴァ・愛空は何故DFというポジションを選んだのか

 190cmの長身にフィールド全体を見渡す視野の広さと、瞬時に相手の動きに対応できる身体能力を併せ持つオリヴァ・愛空。スウェーデン、ドイツ、日本のミックスであり、オッド・アイと呼ばれる左右で異なる色の目が印象的なキャラクターだ。サッカーに必要な全ての能力に恵まれていた彼も、元々は世界一のストライカーを目指していた1人だった。

 FWという攻撃的なポジションでプレーしていた時の愛空を取り巻く指導者等は皆、事あるごとに「チームの為のプレー」を求めてきた。規律を守り、決められた枠の中に押し込もうとする窮屈なやり方。その輪からはみ出る行為を選択する人間は干される。そのようにして、皆がコピー&ペーストされた凡庸な選手に成り下がっていくのが日本サッカー界の現実なのかと愛空は絶望する。自分がやりたいプレーを制限された彼もまた、抑制された環境の中で自分の咲き方を忘れ、信念を貫き通すことが出来なくなってしまった。

 もう自分を曲げて「誰かの為に」捧げるようなサッカーはしたくない。自身の後悔を胸に愛空は、最強のDFを目指し大量生産されたつまらないFWを破壊する事を次の目標に据えたのである。

待ち焦がれていたブルーロック選抜との邂逅

 作中屈指のベストゲームとして名高いU-20日本代表VSブルーロック選抜の一戦。愛空はブルーロックの面々に対して高い壁となって立ちはだかる。ブルーロックプロジェクトを生き残ってきた選手等の波状攻撃を幾度も弾き返す愛空。サッカー漫画の構成上、どうしてもやられ役として描かれがちなDFではあるが、相手の攻撃の先を読みその想像の上をいくことで読者を興奮させてくれる愛空は作中においても稀有な存在だ。

 また、愛空はブルーロックプロジェクトの中で自ら未来を切り開いてきた選手達と対峙することにこの上ない喜びを感じている。過去に自分が諦めた夢。それを現在進行形で本気で追いかけ続けている人間が居るという事実が愛空にとっては希望なのではないだろうか。

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