『ONE PIECE』ルフィの復活めぐる“茶番”? 黄猿、本当に世界政府を裏切るかを考察
※本稿は『ONE PIECE』原作最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。
これまで『ONE PIECE』の世界では、海賊たちと敵対する世界政府や海軍が盤石な組織として描かれてきた。しかし最終章に突入して以来、その組織力に疑問符が浮かぶような展開もちらほらと発生し始めている。とくに現在『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の「エッグヘッド編」では、海軍本部大将“黄猿”ことボルサリーノの身の振り方に大きな注目が集まっているようだ。
「エッグヘッド編」は、天才科学者・ベガパンクの研究所が存在する未来島“エッグヘッド”を舞台とするエピソード。ベガパンクはそこでパシフィスタなどの兵器を開発し、海軍に献上してきた一方で、秘密裏に「空白の100年」の研究を進めていた。そして世界政府がひた隠しにしてきた歴史に触れるというタブーを犯したことで、命を狙われるようになる。
そこで世界政府から放たれた刺客の1人が、黄猿だった。黄猿はいつものように上からの命令に唯々諾々と従い、ベガパンクや戦桃丸、ジュエリー・ボニーを圧倒していくのだが、実は彼らのあいだには古くから親交があったという。
第1091話では幼い頃の戦桃丸のエピソードが描かれているのだが、その頃から黄猿とベガパンクは既知の間柄だった。現在、戦桃丸は34歳なので、黄猿とベガパンクの付き合いは少なくとも20年以上はありそうだ。そのため「ベガパンクの命を狙う」という任務を受けた黄猿は、激しい葛藤を抱えており、ルフィとの戦闘中には“本当はベガパンクを殺したいわけがない”という本心を覗かせていた。
また戦桃丸も、黄猿にとって大切な存在。小さい頃から戦いのいろはを教えてきた愛弟子にあたり、戦桃丸からも「オジキ」と呼ばれ慕われている。今回の「エッグヘッド編」で戦闘を避けられなくなった際には、容赦なく攻撃を行いつつも、まるで我が子を見るようなまなざしを向けていたことが印象的だ。
さらに黄猿はバーソロミュー・くまとその娘であるボニーとも関係が深い。第1100話の回想シーンでは、満面の笑顔を浮かべながらベガパンクと戦桃丸を含めた5人で食事をとり、“ドンドットット”というリズムに合わせて踊るところが描かれていた。
そうした背景から、黄猿が今後決定的な場面で世界政府と海軍を裏切るのではないか……と予想する読者も少なくないようだ。