ポニーキャニオン、歴史専門の戎光祥出版と業務提携のなぜ 歴史資源を核に地域活性化を狙う?
歴史を活かせば地方の観光が変わる
歴史は専門性が高いジャンルである一方で、コンテンツとしての魅力は無限にある。日本刀や戦国武将をモチーフにしたゲームは幅広い世代に人気だし、城郭は次々に新刊が各社から出版され、御朱印を模した御城印もブームになっている。大河ドラマも視聴率の低下が叫ばれる一方で、依然として放送中にはSNSが沸騰するほどであり、魅力的なコンテンツであることは変わりない。
このように、歴史はエンターテイメントと親和性が高いのである。そして、地方にはまだまだ埋もれている知られざる武将や城郭がたくさんある。直江兼続のようにそれまで知名度が決して高くなかった武将がドラマを通じてメジャーになった例もあるし、雲海が見られる天空の城として竹田城が有名になると、うちの城も雲海が見られると名乗り出る地方が続出した。
すでにポニーキャニオンと戎光祥出版は、東京都千代田区観光協会による「徳川家康に関する資源を活用した千代田区観光プロモーション事業」や神奈川県小田原市観光協会による「戦国北条フェスティバル」などをともに手掛けてきた。さらに、現在、ポニーキャニオンとビームスが運営に参画している東京都町田市の指定史跡、旧白洲邸武相荘におけるイベント「ヒストリカルサロン」において協働している。
こうした両社のノウハウを総動員し、埋もれている資源を活かし、活用につなげていくことは、地方に人を呼び込む起爆剤になるに違いない。業務提携でどんな独自性の強いコンテンツが生み出されていくのか、今後の展開に注目していきたい。