【ライトノベル最新動向】スニーカー大賞、電撃小説大賞、ファンタジア大賞の「大賞」作品が並ぶ2月のライトノベル

 2月1日発売のスニーカー文庫では、音々『物語に一切関係ないタイプの強キャラに転生しました』も内容に興味を惹かれる作品。現代をモチーフにした和製RPGを何度も試していた主人公が、ゲームの世界にゲームバランスを壊しかねない最強キャラとして転生。平穏に過ごそうと思っても周囲に一目置かれてしまう。現実に疲れた心を浮き立たせてくれるストーリーだ。

 2月22日にダッシュエックス文庫から登場の片沼ほとり『なりすまし聖女様の人生逆転計画』も明るくなれそうな1冊。軍隊に所属しながら差別的な扱いを受けてきた女戦士のアリシアが、自分の戦士を偽装して軍隊を辞めたいと言い出して「聖女」になることを提案されて始める新しい人生の物語。どん底から這い上がっていく強さと前向きな明るさを存分に浴びることが出来そうだ。

 2月9日発売の電撃文庫では、金子跳祥『亜人の末姫皇女はいかにして王座を簒奪したか 星辰聖戦列伝』が新シリーズとしてスタート。山脈によって二分された世界で、人間や亜人たちが戦いを繰り広げる中で、たった1人の反乱軍から皇帝へと上り詰めていく亜人の少女·イリミアーシェの活躍が描かれる。一大叙事詩の始まりを確かめよう。

 戦記物では、ガガガ文庫から2月19日発売の犬村小六『白き帝国1 ガトランド炎上』もスケールでは負けていない。『とある飛空士への追憶』から始まる「飛空士」シリーズで断崖を落ちる海を越え、高く空を飛びながら戦う少年少女の物語を描き、『やがて恋するヴィヴィ・レイン』では、3階層に大きく分かれて身分にも格差が付けられた世界で、下層から這い上がろうとする者たちの執念の戦いを描いた作者が、新たに構築する世界と物語がどうなるかに注目だ。

 ライトノベルのミステリが賑わっている中に、GA文庫から登場するのが、火海坂猫『マーダーでミステリな勇者たち』。魔王討伐後に起きた殺人を巡って、いったい誰が聖女を殺したのかが問われるものとなっていそう。2月15日発売。ファミ通文庫から1月30日登場の『非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか?』は、目が死んでいる女子高生の佐取燐香に精神に干渉する異能があって、バスジャック事件に巻き込まれたことをきかっけに正義に熱い警察官とともに異能犯罪に挑むようになるというストーリー。異能×バディのミステリだ。

 富士見L文庫からは、道草家守の人気シリーズ最新刊『龍に恋う 贄の乙女の幸福な身の上 六』が2月15日に登場。自らを封じた銀市を救うために珠は封印に入るが、再会した銀市は珠を知らないと言い放つ。それでも銀市を思い続ける珠に果たして銀市は目覚めることができるのか。不幸な身の上からのシンデレラストーリー的ストーリーが今回も楽しめそうだ。

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