『帰ってきたウルトラマン』怪獣66体がハイクオリティ画質で蘇る! マニアも納得の怪獣図鑑シリーズがすごい

 怪獣たちのビジュアルも素晴らしい。ゴルバゴス、ゴーストロン、ベムスター、サータン、ザニカなど、綺麗な画質で掲載されているメインカットが実に目を引く。また、かなりの数の3面写真が掲載されている点もポイントが高い。ちなみに、この3面は雑誌用の特写がほとんどで、中には電飾を入れてない状態で撮られたものもあり、そうした部分に注目してみるのも面白いだろう。シュガロンの右目が損傷した状態なのは、劇中でMATの攻撃で目を攻撃されるシーンがあり、実際に着ぐるみにダメージ表現を加えているからで、撮影後に特写されたことが分かる。近年の特撮作品では、再利用や「順撮り」しなくても良いようにダメージ箇所は、パーツ差し替えで表現されることが多いので、そこもまた当時の撮影方法ならではのリアリティが感じられる。

 後半は怪獣と宇宙人がセットで登場するエピソードも増えてくるのも『帰ってきたウルトラマン』の特徴だが、グロテス星人、ケンタウルス星人、ゼラン星人、メイツ星人、ブラック星人、ストラ星人、ズール星人といった宇宙人についても漏れなく紹介されている。前後編で登場するナックル星人&ブラックキングは共に4ページを割いて解説しており、黒い雲のような巨大な存在であるバキューモンも2ページという他書には見られないボリュームでおさえている。他でやらないような細やかな心配りは、マニアにも間違いなく刺さるはずだ。

第二弾『ウルトラセブン大侵略者図鑑』も好評発売中だ。

 末尾になるが、シリーズ3冊の怪獣解説監修を務めたのは、作家であり、UMA研究家としても知られる中沢健氏で、特撮界隈のインフルエンサーとして認識している人も多いかと思う。ビジュアル面、内容面ともに熱心なファンからも評価も高く、令和の時代だからこそ作り出すことができた、新たな「怪獣図鑑」シリーズだと言えるだろう。



■書籍情報
『帰ってきたウルトラマン大怪獣図鑑』
監修:円谷プロダクション
発売日:2023年12月20日
定価:3,520円 (本体3,200円)
判型:B5判
出版社:双葉社
双葉社公式サイト:https://www.futabasha.co.jp/book/97845753184870000000

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