『ちはやふる』末次由紀、Xで名作短編『クーベルチュール -夏味-』を無料公開 ファンから感謝の声相次ぐ

 『ちはやふる』で知られる漫画家の末次由紀が12月20日、自身のX(@yuyu2000_0908)で人気短編シリーズ『クーベルチュール』の一作(夏味)を公開。ファンから絶賛と感謝の声が相次いでいる。

 『クーベルチュール』は、イケメン兄弟が営むちょっと変わったチョコレート専門店を舞台に展開される人間ドラマ。今回公開された「夏味」は、末次本人が「二人のショコラティエと65歳おばちゃんの話」と要約しているように、クーベルチュールを切り盛りする一郎・二郎と、同店で働き始めた65歳の元駄菓子屋・森田奈津美の物語だ。駄菓子屋とは対極的とも言える、おしゃれで高級なチョコレート店。奈津美にとっては異世界であり、笑顔を忘れたまま「つながる」ことを諦めて過ごしていたがーー。

 本作は「冬味」「春味」「夏味」「秋味」/「ライム味」「レモン味」「イチゴ味」「ぶどう味」からなり、「夏味」はいわば四季シリーズの一作。ミステリアスながら愛嬌のあるイケメン兄弟はもちろん、「冬味」には柚木芙優(ふゆ)、「春味」には里見小春(こはる)、今回の「夏味」には森田奈津美(なつみ)、「秋味」には古賀雅秋(まさあき)と、季節に応じた個性的なキャラクターが登場し、それぞれに切実で、愛らしく、あたたかな物語が紡がれてきた。

 代表作『ちはやふる』を読めばわかるように、末次由紀は「人」と「ドラマ」を描くのが極めて上手く、人目をひく美男美女も、普段はあまり光の当たらない地味な人々も等しく魅力的に感じられ、絵に描いたような悪役がいなくてもカタルシスのあるドラマを見せてくれる。今回の『クーベルチュール -夏味-』に関しても、「本当に作品全部すんばらしいんだけどさ、特にしびれるのは『このキャラの人生の一部でしかない』ってのをめちゃくちゃ感じる」「シンプルにキャラがみんないい人たちで一生懸命でホントに大好きだから疲れてる時にチョコ食べて元気もらうみたいな作品」など絶賛のコメントとともに、無料で読めることへの感謝の声が寄せられている。

 アニメも実写映画も大ヒットした同作と比較すると、『クーベルチュール』は未読の人も少なくないかもしれないが、ファンからは続編を望む声も根強い名作だ。読みやすい一話完結の短編なので、この機会にぜひチェックしてみよう。

■『クーベルチュール』(コミックDAYS)
https://comic-days.com/volume/10834108156631378581

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