漫画家・中原杏、6年ぶりにXを再開で反響 代表作『きらりん☆レボリューション』の凄さを考察
漫画家の中原杏が、約6年ぶりにXを更新したことが反響を呼んでいる。自身の代表作『きらりん☆レボリューション』(きらレボ)のガチャガチャなど、グッズが発売されるという情報を相次いでポスト。ファンはもちろん、漫画家からも喜びの声が寄せられている。
中原は、「きらレボ連載当時、アニメ放映当時は山ほどおもちゃやグッズが出てましたが忙しすぎて全くお店に見に行けなかったんです。だから今また色々とグッズやアミューズメント系が出るのは本当に本当に嬉しい」とポスト。折しも、2000年代の少女漫画の再ブームが始まり、『カードキャプターさくら』や『しゅごキャラ!』のグッズが次々に発売されている。『きらレボ』も、当時の読者だった女の子たちの心を、今なお掴んでいることがよくわかる。
現在も少女漫画誌で最多の発行部数を誇る「ちゃお」だが、2004年3月号~2009年6月号にかけて約5年間の連載となった『きらレボ』は、同誌の人気を牽引した伝説的な漫画である。メディアミックスが盛んに行われ、女児ゲーム界などをも席巻したモンスターコンテンツなのだ。
内容はいわゆるアイドル漫画であり、ギャグあり、涙ありのラブコメディである。主人公の月島きらりが、人気アイドル「SHIPS」の日渡星司に一目惚れしたことをきっかけに、自分もアイドルデビューを宣言するというものだ。きらりの元気溌剌でテンションの高いキャラクター、勢いのある作画、テンポのあるストーリー展開が当時の女の子たちの心を鷲掴みにした。
人気はアニメが始まると火がつき、グッズが凄まじい勢いで発売された。一説によれば、当時の女児向けナンバーワンコンテンツだった「プリキュア」に迫る勢いだったともいわれる。中でも人気を博したのはカードゲームである。「きらりん☆レボリューション クルキラ★アイドルDays」は、その後の「アイカツ!」「プリパラ」などの同種の女児向けゲームにも影響を与えている可能性も高く、男子が中心だったカードゲームの市場に女児向けのニーズを開拓した点も評価されている。
アニメも画期的であった。「モーニング娘。」のメンバーだった久住小春が、主人公のきらりの声優を担当した。現役アイドルが、アニメのアイドルキャラの声を担当する―― これは当時としては斬新な試みであり、久住が歌うオープニング曲の『恋☆カナ』は作中のイメージに合った曲で、大ヒットになった。久住はテレビ番組「おはスタ」や「ちゃお」本誌にもたびたび登場し、女児のファンを多数獲得した。
そして、極めつけは2期のオープニング曲の『バラライカ』であろう。この曲のサビの「バラライカ」の歌詞を「やらないか」に置き換えた替え歌がニコニコ動画で大流行した。歌い手のいさじのボーカルに合わせて『くそみそテクニック』の阿部さんが躍る動画が作成され、こちらも大ヒットとなった。このように、ターゲットである女児にも爆発的にヒットし、ネット民からも一種のカルト的な支持を集めた少女漫画は、『きらレボ』が唯一無二といえるだろう。