『呪術廻戦』特級呪霊・漏瑚は単なる“噛ませ犬”ではないーー強者と対峙して示した存在感

 アニメ『呪術廻戦』第40話「霹靂」で宿儺との激闘を繰り広げた特級呪霊・漏瑚。渋谷の街が火の海へと変貌するほどの死闘の末、花御や陀艮とともに、漏瑚は戦線離脱した。

 そんな漏瑚の最期に、SNSでは漏瑚の離脱を惜しむ声が数多く投稿されている。読者に愛された漏瑚は、多くの呪霊が登場する本作においてどのような呪霊だったのか。

漏瑚が示した領域展開の概要

 物語序盤から夏油傑(?)と行動をともにしていた漏瑚。「五条悟は/儂が殺す」と意気込みながら漏瑚は人けのない山奥で五条悟と対峙し、コミックス2巻・第15話「領域」にて領域展開を発動させることとなる。

 漏瑚の領域展開は「蓋棺鉄囲山(がいかんてっちせん)」。火山の火口内かのような灼熱の領域を展開する大技であり、並みの呪術師なら領域に入った時点でその身が焼き切れてしまうほど(参考:『呪術廻戦 公式ファンブック』)。

 まがまがしい空間に閉じ込められた五条と虎杖であったが、五条は漏瑚の領域展開を利用し、呪術師としての経験が浅い虎杖に、実践を踏まえながら領域展開の説明をはじめる。

 環境要因により自身のステータスを向上できること、領域内で発動した術式は相手に絶対当たること。領域展開の有効な対処法として、相手の領域より洗練された領域を展開することーー。

 漏瑚が領域展開を発動する前には、第8話「呪胎戴天-参-」にて宿儺も少年院に現れた特級呪霊に領域展開「伏魔御廚子」を発動させている。しかし発動直後のページでは突如として刻まれた呪霊の姿が描かれており、果たして領域展開でなにが起こっているか、読者である我々にはまったくわからない。

 いくつかの前提条件があるため少し難解であるものの、“呪術戦の極致”と称される領域展開。その概要は実際に領域を展開した漏瑚によって虎杖、そして読者に、作中ではじめて視覚的にわかりやすく提示されたと言える。

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