今、注目のノンフィクション作家 川内有緒が『自由の丘に、小屋をつくる』刊行

 Yahoo!ニュース本屋大賞を受賞した注目のノンフィクション作家・川内有緒が、受賞後第一作の新作『自由の丘に、小屋をつくる』(新潮社)を刊行した。

 東日本大震災をきっかけに、既存の価値観に疑問を抱き、自分の無力さも自覚した著者。子どもができたことでその思いは深まる。この困難な時代を娘が生き抜くために自分にできることは何なのか――。

 考えた末にたどり着いたのは、「小屋を作る」ことだったという。「買う」ではなく「作る」という新たな選択肢を手に入れられたら、自分たちの生き方にも変化が生まれるかもしれない、そう考えた。

 元々とても不器用で物作りも嫌いな著者だが、初めてインパクトドライバーを手にし、娘の机を手作りすることから始める。そして実家のDIYリノベ―ションを経て、ついに山梨の丘に土地を見つけて小屋作りに向かう。

 たった一つの小屋を作るだけなのに、想像を超える出来事の連続。かけがえのない人たちとの出会い。笑い、泣き、喜び、苦しみ、助け合い、一つ一つ壁を乗り越えて行く中で、思索は「お金で買えるものの価値」や「効率主義」、そして「自由とはなにか」まで広がっていき……。

 著者と、夫と、幼い娘の三人にとって、人生で一度きりの “不確かな未来を生きるための旅”を記した、読む者の心と価値観を揺さぶるドキュメントに仕上がっている。

■著者
川内有緒(かわうち・ありお)
ノンフィクション作家。1972年東京都生まれ。映画監督を目指して日本大学芸術学部へ進学したものの、あっさりとその道を断念。行き当たりばったりに渡米したあと、中南米のカルチャーに魅せられ、米国ジョージタウン大学大学院で中南米地域研究学修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏のユネスコ本部などに勤務し、国際協力分野で12年間働く。2010年以降は東京を拠点に評伝、旅行記、エッセイなどの執筆を行う。『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)で新田次郎文学賞、『空をゆく巨人』(集英社)で開高健ノンフィクション賞、『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』(集英社インターナショナル)でYahoo!ニュース本屋大賞 ノンフィクション本大賞を受賞。ドキュメンタリー映画『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』の共同監督も務める。

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