【漫画】元旦に生まれた女子高生、“誕生日が祝われない”問題とどう向き合う? SNS漫画『祝砲をならせ』が愛おしい

女の子を描くのが苦手だった

――今回『祝砲をならせ』を制作した経緯を教えてください。

たがわ:女の子を描くのが苦手なので「たくさん女の子が出てくる話にしよう」と思って制作しました。ただ、案の定作画に苦労して着想から完成まで3~4ヶ月を要しました。

――“元日が誕生日の2人の女の子”という設定にした理由は?

たがわ:実は私にも全く同じ生年月日の友人がいます。高校時代の友人だったのですが、大人になって初めて2人だけでお祝いして、「なんだか素敵な関係だな」と感じたのでそのまま使わせてもらいました(笑)。元旦にしたのは世間にとってお祝い一色な雰囲気でも2人の間だけは違う意味で特別な日にしたかったからです。

――「女の子を描くことが苦手だった」とのことですが、成と千秋はどのようして誕生したのですか?

たがわ:活発で人気者の成とおとなしめで地味目な千秋という対比を意識しながら作り上げました。ただ、正反対の2人にしたつもりなんですが価値観は結構似てる気がします。

--ちなみに成を建設現場で働かせた狙いは?

たがわ:かっこいい成が描きたかっただけです。作業服最高!

“真顔”で笑わせたい

――幼少期の成の顔が劇画タッチになったり、誕生日プレゼントをもらって照れたりなど、表情でついつい笑ってしまうシーンが多かったです。

たがわ:個人的にはあまり笑える顔を意識してなかったので意外でした、ありがとうございます(笑)。自分自身“顔芸”があまり得意ではないので、「寒くならないようにしよう」とは意識しています。むしろ真顔で笑わせたい。

――また会話劇でも笑えるシーンが多かったです。その辺りの意識は?

たがわ:個人的にボケは多ければ多いほどいいと思ってます。ただ、本作は笑いよりも2人の関係性にほっこりニンマリしてほしかったので、攻撃性のない日常会話程度にはおさえました。

――ちなみにボケはどのようにして考えているのですか?

たがわ:やはり攻撃性のないものを採用するようにしてます。ただ、関係性にもよると思うので本作の場合、主人公は父に対してはバッサリと、千秋ちゃんに対してはこれから距離を詰めたい同級生にするように、という感じで分けているつもりです。

――3年後に飛ぶ、2人が一緒にお酒を飲む、というラストでした。このラストを選んだ理由など教えてください。

たがわ:「高校の同級生と大人になっても仲が良いのって素敵だな」と思ったことと、「毎年2人で祝ってたのかな?  来年以降も2人で過ごすのかな?」といった描いていない部分を想像してもらえたら嬉しいので3年後を描きました。

――最後に何か伝えたいことがあれば是非!

たがわ:私が制作した『田中と鈴木』(小学館サービス)全3巻発売中です! 揃えやすいです! また、今後は作品の連載を経て実写化され、そしてタランティーノ監督に会うのが目標です! 夢はでっかく!

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