【推しの子】メインキャラが闇堕ちする中、“正統派アイドル”を貫く重曹ちゃん=有馬かなの尊さを再考

 約1カ月間の休載を経て、ついに連載再開を迎えた人気漫画『【推しの子】』。映画『15年の嘘』の企画が本格始動する“映画編”に突入し、クライマックスに向けて波乱の展開が幕を開けようとしている。

 復讐に燃えるアクアとルビーや、アイの真相に近づく黒川あかねや主要キャラたちが物語の核心へと迫るなか、それとは対象的なのが有馬かな。新生「B小町」のセンターで通称“重曹ちゃん”こと有馬が作中で見せたアイドル性について、今一度触れてみたい。

「10秒で泣ける天才子役」からアイドルへ

 有馬かなのタレントとしての魅力といえば、何と言っても演技力と歌唱力の高さだ。幼少期、アクアやアイと映画で共演した有馬かなは、当時すでに「10秒で泣ける天才子役」として人気を博していた。

 初めて撮影現場にきたルビーやアクアに対して、「ここはプロの現場なんだけど! 遊びに来てるなら帰りなさい!」と言い放ち、ADさんにカバンを持たせようとするなど、人気者ゆえに天狗になっていた描写もあるが、演技力に関してはアクアも認めているほど。また、劇団ララライの若き天才女優・黒川あかねが幼い頃に憧れ、女優を目指したきっかけになった存在が有馬だったことからも、スター性も持ち合わせていることが見て取れる。

 歌のうまさも折り紙付きで、有馬が幼少期にリリースした楽曲『ピーマン体操』ではオリコン1位を獲得。アクアからお願いされ、アイドルグループ「B小町」に加入した後、センターを決める話し合いではルビーたちから歌唱力を買われセンターにと推薦される。

 幼少期から芸能界でスター性を発揮し、周りから切望されてアイドルグループのセンターに上り詰める。まさに、アイドルとなるべくして生まれた存在なのだ。

スキャンダル編を経ても無傷!強運も正統派アイドルの証

 強運でNOスキャンダルを貫き続けている点もすごい。作中のスキャンダル編では、映画監督・島政則の事務所マンションに出入りする様を週刊誌の記者に撮られてしまうことに。その後、アクアが有馬を救うために、自身とルビーはアイの隠し子であることをバーター記事として記者に提案したことで、スキャンダルを回避した。

 また、このバーター記事によって、アクアとルビーの注目度も一気に上昇。結果として、B小町や有馬自身の仕事も増えることに。NOスキャンダルどころか、スキャンダルきっかけで仕事を増やしてしまう、アイドルに必須の強運の持ち主であることもポイントだ。

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