【漫画】幼馴染に「そんな男やめて俺にしろよ」と500回繰り返した結果は……純情男子が貫いた思いにキュン
「有料の商業連載だけでなく、無料で読んでもらえる作品を」
――今回『そんな男やめて俺にしろよ』をなぜ制作しようと考えたのでしょうか。
なつだ:連載原稿を描いていたのですが、「SNS用のオリジナルBL漫画を描きたいな」と思って制作しました。
――連載しながらSNS用の作品を描くとなると、スケジュール的に大変そうですね。
なつだ:はい。ただ、スケジュールを詰めてでもSNS用の漫画を描こうと思った理由として、商業連載のほうは有料になってしまうので、「無料で読んでもらえる漫画を公開したい」と考えたからです。また、連載原稿のほうは完成度を高めることに集中していて、常に肩に力が入っているような状態でした。「もう少し柔軟にいろいろ描いて幅を広げる機会にしたい」とも考えていました。
――制作してみて幅は広がりましたか?
なつだ:結果的に気付きや学びが非常に多くとても良かったです。また機会があればSNS用の漫画を描くつもりです。
――“ダメ男と付き合っている幼馴染を好きで好きでたまらない男子”の物語でした。本作のテーマはどう決めたのですか?
なつだ:最初に思いついたのが、「来ちゃった」と言って夜中に押しかけてくる迷惑な男というシーンでした。そこに自分の好きな要素や練習したいと思っている要素を足した感じです。
――好きな要素と練習したい要素とは?
なつだ:好きな要素ですが、天丼展開(最初のドラマと最後のシーンが同じ状況)、男2人が雑な中華屋で瓶ビールを小グラスで分け合うなどです。練習したい要素としては、キャラの髪型や服などのデザインで、普段見ないサイトや資料を見ながら描きました。
コマの外に注釈を入れたワケ
――作画やセリフで説明するのではなく、「家がとなり同士の幼馴染」「きんちょうしている」とコマの外に注釈を入れて説明していました。本作は短いページでまとめようと思って制作したのですか?
なつだ:「短くしたい」という意図はありました。本音を言うと「SNS漫画は省エネで描きたい」という気持ちで、本当は「もっと短くまとめられたら良かった」と思うくらいでした。
――もっと短くしたかったのですね。
なつだ:そうです。ちなみにコマ外の注釈は単純に手癖かもしれません。過去の少女漫画によくある古典的な手法だと思いますが、手に染み付いていてつい入れてしまうことが多いです。
――「もっと短くまとめられたら良かった」とのことですが、エンディングのあと、どのように接していいのかわからない二人の雰囲気も見てみたかったです。
なつだ:その辺りはそのうち描きたいなと思っています。ただ、さらにこの二人を描く場合はしっかりLOVE描写を入れたいのですが、そうなるとSNS公開向きではなくなるため、直近の優先度はやや下がるかもしれません。“SNS用BL漫画を思いつきのままに短期で仕上げる楽しさ”を知ってしまったので、しばらくはそちらに時間を割こうと思っています。
――今後の漫画制作について教えてください。
なつだ:本作は全年齢でしたが、私の漫画で本当に見ていただきたい部分はLOVE描写です。現在一迅社のレーベル『gateau』で『高杉先生は×××に弱すぎる』という漫画を隔月連載しています。Amazonやシーモア、Rentaなど大抵の電子書店で掲載しています。まだまだ修業中の身ですが、もっと強い漫画を届けられるようにこれからも精進します。