『ONE PIECE』黒幕・五老星、「実は有能じゃない」説を検証 読者を困惑させた“失策”の数々とは

パンゲア城に空いていた覗き穴

  また、五老星によるやらかしはこれだけではない。第1085話の回想シーンでは、またしても重大な情報漏えいが発覚していた。

  世界会議(レヴェリー)開催の裏で、アラバスタ王国のコブラ王は五老星に謁見し、世界の秘密について質問を行った。そしてその後、コブラ王の処分に至るのだが、一連の騒動を革命軍の参謀総長・サボに目撃されてしまう。

  さらに最高機密だと思われるイム様の存在も知られ、そのまま生きて逃亡を許すという失態付きだ。しかもサボだけでなく、部屋を覗いていたワポルにもすべてを知られている。このワポルの覗きを可能にしたのは、なぜか壁に空いていた“覗き穴”だった。

  そのほか、第1089話では口頭のうっかりミスも。同エピソードでは、五老星の面々がエッグヘッドにいるベガパンクの欲(ヨーク)と通話で交渉を行う。そこでマザーフレイムの技術について話している最中、五老星の1人が、“所望されてる”と漏らし、自分たちよりも上の者、すなわちイム様の意志が介在していることを匂わせてしまったのだ。この会話は麦わらの一味やCP-9、海軍の一部にも聞かれていたため、痛恨のミスと言っていいだろう。

  こうして振り返ると、失策ばかりが目立っている五老星だが、「空白の100年」の真実を誰にも知られずに秘匿してきた実績があることもまた事実だ。あまりに膨大な情報を操作しているため、ごくまれに手落ちが生じてしまうということなのかもしれない。

  世界を動かしてきた権力者たちの企みは、ルフィたちをいかに苦しめるのか。あるいは、これまでの失策が波紋を呼ぶ結果となるのか……。恐ろしくもチャーミングな黒幕、五老星の今後に注目していきたい。

 

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