戦場カメラマン・渡部陽一の新刊『晴れ、そしてミサイル』 戦場の本当の姿と平和のあり方を語る

 戦場カメラマンとして知られる渡部陽一の著書『晴れ、そしてミサイル』の電子書籍版が8月18日に先行発売された。紙書籍は10月中の発売が予定されている。

 現在日本に住んでいる人の多くは、ニュースやSNSで、世界各地で起きている戦争を目にしているだろう。壊された街並みや戦闘など、衝撃的な映像を一度は目にしたことがあるはず。

 また戦争と聞くと、中には戦争映画のような映像をイメージする人も少なくないかもしれない。ところが、実際に戦争が起こっている場所は、そのようなイメージとはまったく異なるものだという。

 たとえばウクライナ首都 キーウのショッピングモールの中ではとても戦争中とは思えない光景が広がっていた。その翌月の10月10日に、このキーウ中心部で、ミサイル攻撃と見られる爆発が起きた。

 イラク戦争のさなか、病院の産婦人科に取材に行くと、子どもの誕生を喜ぶ人たちの笑顔がたくさんあった。戦場とは思えない光景で、なんら特別ではない日常が広がっていた。

 戦場カメラマンである渡部陽一は、これまで世界中の戦場を取材し、戦場で暮らす人々をその目に映し、生きた声に耳を傾けてきた。本書ではそんな渡部が、沢山の写真や動画とともに、戦争とふつうの日常が共存する戦場の「本当」について語る。

■目次
1章 戦争は日常の中にある――私が見てきた、戦場の本当
2章 なぜ戦争が起きるのか――貧困を発端にした奪い合いと、孤独が引き起こすテロ
3章 平和とは選べること――孤独に溺れる前に、旅に出よう
4章 平和のためにできること ①世界を知る
5章 平和のためにできること ②世界とつながる
6章 「奇跡の国、日本」は終わった――奪われた人々が帰る場所

■著者情報
渡部陽一 Yoichi Watanabe
1972年、静岡県生まれ。明治学院大学法学部法律学科卒業。
学生時代から世界の紛争地域を専門に取材を続ける。戦場の悲劇、そこで暮らす人々の生きた声に耳を傾け、極限の状況に立たされる家族の絆を見据える。イラク戦争では米軍従軍(EMBED)取材を経験。これまでの主な取材地はイラク戦争のほかルワンダ内戦、コソボ紛争、チェチェン紛争、ソマリア内戦、アフガニスタン紛争、コロンビア左翼ゲリラ解放戦線、スーダン、ダルフール紛争、パレスティナ紛争、ロシア・ウクライナ紛争など。

■書籍情報
タイトル:『晴れ、そしてミサイル』
発売日:2023年8月18日(電子書籍先行発売)
刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ISBN:978-4-7993-2980-1
定価:1760円(税込)

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