『ONE PIECE』麦わら一味、2年間の修行期間に何をしていた? 来るべき最終決戦に向けて振り返るそれぞれのエピソード

 「週刊少年ジャンプ」での連載が最終章を迎え、大きな盛り上がりを見せている『ONE PIECE』。活躍が期待されていたキャラクター、長らく登場のなかった人気キャラクターも続々と登場し、クライマックスに向けて物語が加速している。いまの熱い展開を最大限楽しむためにも、過去の重要なエピソードを振り返っておきたいところだ。

 『ONE PIECE』を連載で追いかけていて、コミックスやアニメをチェックしていない、という人も多いだろう。そんななか、各種掲示板やSNSを見ていると、「新世界」を席巻する麦わら一味の強さに直結するエピソードである「2年の修行期間」での出来事があやふやになっている人が少なくないようだ。ゾロが世界一の剣豪ミホークに稽古をつけてもらっていた……ということは記憶に残っていても、他のメンバーの修行先やその内容について詳細に記憶しているのは、コミックスで読み返しているファンが大半ではないか。来るべき最終決戦に向けて、あらためて「修行先」とその内容を振り返ってみたい。

 こちらは記憶に残っている人も多いだろう、エースを失って深刻な精神状態になっていた我らが主人公ルフィは、元ロジャー海賊団副船長の“冥王”シルバーズ・レイリーの檄を受けて、ハンコックに匿われていた女ヶ島から「ルスカイナ島」へ。1週間ごとに変化する季節、当時のルフィが敵わないほどの猛獣たちがいる、人類が生存競争に負けた無人島だ。ルフィはここでレイリーの手解きを受け、続く物語で鍵を握る「覇気」を習得。必殺の「ギア4」にも開眼し、明確なレベルアップを遂げている。

 冒頭でも触れたゾロは、ミホークが根城にしている「シッケアール王国跡地」で修行。知能が高く、人間の武器を扱う凶暴な猿「ヒューマンドリル」を相手に研鑽を積み、刀に武装色の覇気をまとわせる技術を獲得した。「世界一の大剣豪」に向けて、大きな一歩を踏み出したといえる。

 ナミは「天候」の研究で世界をリードする空島「ウェザリア」へ。ルフィやゾロが戦闘に特化した修行を行う一方で、今後さらに苛烈になっていく海を乗り越えるための航海術を極めていった。一方で、この島の技術で彼女の専用武器である「クリマ・タクト(天候棒)」の強化にも成功。航海士としても、戦闘の補助役としても大きくステップアップしている。

 「ボーイン列島」に位置する森「グリンストン」に飛んだウソップは、島を支配する食人植物や凶暴な昆虫たちを相手に大奮闘。植物学者の顔をもつ“森の勇者”ヘラクレスンと出会い、「ポップグリーン」と呼ばれる植物の種を使った狙撃術をマスターした。グリンストンの栄養価の高い食べ物の影響で丸々と太った姿も見せるなど、コメディ要因としての役割もしっかり果たしていた。

 サンジが飛んだのは、革命軍の重鎮・イワンコフが収める「カマバッカ王国」。覇気と空中歩行術・月歩(ゲッポウ)を習得する一方で、身体を強化する秘伝のレシピも学び、麦わら一味を支える料理人としてもスケールアップしている。“第2の女ヶ島”での賑やかな日々はビジュアル的にも楽しく、また理にかなった修行が行われた濃厚なエピソードになっていた。

 チョッパーは、薬草を求める島民たちと、卵を守ろうとする怪鳥の争いが続いている「トリノ王国」へ。動物とコミュニケーションが取れる能力を駆使してこのすれ違いを解消したチョッパーは、この国独自の薬草を研究し、自身の身体を変化させる「ランブルボール」を強化。『ドラゴンボール』の“大猿化”のように、以前は自我を失って制御不能になっていた巨大怪物化の能力(モンスターポイント)をコントロール可能にしており、戦闘員としての切り札を獲得している。

 ロビンは巨大な橋の上に位置する国「テキーラウルフ」へ。ロビンは奴隷として強制労働させられることになったが、これを革命軍が解放。以降、革命軍に合流し、2年間を過ごしている。この期間にあった出来事はまだ、謎に包まれている部分が大きいが、もともと戦闘でも大きな威力を発揮していたハナハナの実の能力が大幅に強化され、さらに頼もしい存在になっている。

 フランキーはDr.ペガパングの故郷である“未来国”こと「パルジモア」に飛んだ。一面の銀世界にいるのは、サイボーグの動物たち。そこでDr.ペガパングの設計図や資料を発見し、自身を改造&新たな兵器を獲得。海軍に追われながら大騒動を巻き起こし、「バルジモアの燃える霊獣伝説」として語り継がれることになった。

 そしてブルックは、手長族による人さらいが横行する「ナマクラ島」で奮闘。住人たちを助けるなかで盗賊に捕まってしまい、ガイコツ姿を面白がられて、見世物になってしまう。ブルックは貧困によって努力を知らない人々に音楽の力で勇気を与え、「ソウルキング」として世界に(音楽家として)その名を轟かせることに。また幽体離脱が可能になるなど、ヨミヨミの実の能力も拡張しており、今後もトリッキーな活躍が期待できそうだ。

 このように、各メンバーが自身の役割や長所に直結する修行を行なった2年間を経て、麦わら一行は新世界に名を轟かす大海賊団に成長した。さらに激化する戦闘を考えると、全員が活躍できるとは限らないが、2年間で獲得した能力を基盤にした見せ場は必ず訪れるだろう。修行のエピソードを忘れている人は、ぜひ単行本で読み返してほしい。

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