【漫画】平和なビーチにサメが現れたと思いきや……? コメディ漫画『深海からの刺客』がおもしろい

ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

ゆのこショウ:本作は2021年の冬場につくった作品です。もともと商業媒体で掲載するための作品をつくっていたのですが、本作は掲載がむずかしかったため、インターネット上に投稿しました。

 幼いころからアメリカのホームドラマや洋画などが好きで、漫画を制作するうえで影響を受けているかと思います。本作も海外のB級映画にあるような舞台を題材として選びました。

ーー愛らしさのあるサメのキャラクター・ジョニーを描くなかで意識したことは?

ゆのこショウ:魚人という設定だから手足が生えていて、もしも手足が自分の身体を支えられないほど細かったらキャラクターとして成立する……といったことを考えながらジョニーのキャラクターをつくりました。サメを選んだ理由としては、サメが登場するパニック映画が好きだからです。

ーー作中に登場するダツはめずらしい魚かと思います。

ゆのこショウ:過去にドキュメンタリー番組『世界まる見え!テレビ特捜部』にて、船で釣りをしていた女性に海から飛び出した魚が突き刺さるというエピソードを目にしました。そのエピソードが衝撃的で、頭の尖った魚を調べるなかでダツという魚を知りました。

 そういった過去の影響もあり、本作で危ない魚を出そうと思うなかでダツを思い出し、鋭くとがったダツを描くこととなりました。

ーーゆのこショウさんはSNSに本作のようなコメディ漫画を数多く投稿しているかと思います。漫画を描きはじめたきっかけは?

ゆのこショウ:幼いころから絵を描くことが好きで、小学1年生のときに漫画『スーパーマリオくん』(小学館)の表紙をマネしながら描いていました。そのときに自分の描いた絵を褒めてもらったことが漫画家を目指そうと思ったきっかけになったのだと思います。

 ずっと漫画家になろうと思っていたのですが、ちゃんとした作品を描くことができたのは社会人として働きはじめたあとでした。描いた作品はギャグ漫画であり、作品を漫画賞に投稿すると受賞することができました。そのあとゲーム作品のコミカライズを担当したりなど、商業媒体で読み切りを掲載したりなど、商業作家として活動するようになりました。

ーーゆのこショウさんが影響を受けた作品は?

ゆのこショウ:海外の作品はもちろんのこと、絵柄に関して言えばパンフレットやポスターに描いてあるような、シンプルで点のような目をしたキャラクターに影響を受けています。

 また川原正敏先生の作品も好きです。普通の漫画だとコマの中央付近に水平線が描かれるのですが、川原先生はときにコマの下にちかいところに水平線が描写され、まるで地面から見上げたような構図のシーンが存在します。もともと私が風景画を専門に美術を学んでいたこともあり、漫画としては珍しい空間の表現に魅力を感じます。

ーーゆのこショウさんは9月から漫画の連載を控えているかと思います。

ゆのこショウ:これまでは読み切り作品を描いてきましたが、今回は長編の作品を制作します。同じキャラクターを描き続けるなかで、そのキャラクターの新たな一面が明かされるなど……読み切り作品で描くことのできなかった展開を描くことで、今まで思いつかなかった発想が生まれたり、漫画家としての成長を味わいたいです。

 「こんなことができるようになったらいいな」と探究したり「自分はこんな視点・考え方を持っていたんだな」と気づいたり。自分の専門分野である漫画制作のなかで、自分の新しい可能性や側面を発見したいという思いが創作の根底にあるかと思います。

ーー連載予定の作品はどんな漫画?

ゆのこショウ:ジャンルはギャグ漫画であり、舞台は熊本県にある架空の町です。方言で妖怪や化け物のことを指す「がご」を倒していく4人の女性たちの物語となっています。

ーー今後の目標を教えてください。

ゆのこショウ:今回は各週連載となるので大変だと思いますが、なるべく余裕をもって生活したいです。自分のペースを守りながら、なるべくおもしろい作品を多くの人に読んでいただけるよう努めていきたいと思います。

■ゆのこショウさんが9月から連載開始する作品はこちら!


作品名:『天津水市「がご」撲滅だより がごはん』
掲載媒体:WEBコミックサイト『ヒーローズ』(『コミプレ-Comiplex-』)
(連載開始後は毎週金曜12:00更新予定)

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