『ザ・ファブル』ドランククイーンからクリスマス会まで、アニメ化決定で楽しみな“ヨウコの名場面”

 “殺さない殺し屋”を描いた人気漫画『ザ・ファブル』のアニメ化が発表され、ファンを歓喜させている。同作は第二部にあたる『ザ・ファブル The second contact』が完結したばかり。「最終章」の制作が予告されているが時期は未定とのこと、読者に“ファブルロス”が広がりかねなかったが、新たな楽しみができた。

 『ファブル』には一風変わったキャラクターが多く登場するが、主人公にしてかつて天才的な殺し屋だった佐藤明(アキラ/偽名で本名は不詳)と人気を二分しているのが、その相棒で、いまは妹という設定で生活を送っている佐藤洋子(ヨウコ/同じく偽名で本名は不詳)だ。本稿では、アニメで観たいヨウコの名場面をピックアップする。

ドランククイーン・ヨウコ

 ヨウコは戦闘スキルこそアキラに及ばないが、その他の面では圧倒的に優れている部分が多く、生活力が皆無な“兄”をサポートしてきた。抜群の記憶力を持ち、人目をひく容姿を駆使した人心掌握もお手のもの。辛い過去を抱えていることもあって周囲の人々にはとても優しい……というと完璧なキャラクターに思えるが、一方でいつもどこか退屈さを感じていて、「男を酔いつぶして観察する」というなかなかにクズな趣味を持っているのが面白い。原作の単行本でいうと2巻で真黒組の若手組員・高橋が、8巻でチャラ男の河合ユウキが、その毒牙にかかっている。

 『ファブル』は全体を通じてギャグ成分が多めで、シュールな笑いも含まれる作品だが、多くの登場人物が「殺し屋」と「極道」に分類されるだけに、緊張感のあるエピソードが山場になる。その合間の“日常回”として、ドランククイーン・ヨウコが縦横無尽に暴れるエピソードが挿入されることに期待したい。

殺し屋「鈴木」とのバトル

 原作8巻に収録されたエピソードで、アキラを狙う殺し屋「鈴木」が単身、ヨウコの家に乗り込み、バトルになるシーンが出色だ。

 ヨウコはアキラの相棒をつとめながら、人を殺めたことがない。アキラのようなトップの殺し屋には敵わないが、逆に言えば、ほとんどの相手に対して戦闘で遅れをとることはない。その「強さ」が垣間見えたのが、鈴木とのバトルだ。勝負は一瞬。銃を持つ鈴木に対して顔色ひとつ変えることなく、「ずいぶんナメられたものねぇーー……一人で来るなんて~~」と、いとも簡単に制圧するのがカッコいい。

 戦闘に際して「殺しの経験がない」ことがヨウコの弱みであり、非情になりきれないためにピンチを迎えることもあるが、一般人目線ではもちろん、「殺し屋」というレベルでもそうそう負けない強さを持っている。目にも止まらない攻撃がアニメでどう描かれるのか、気になるところだ。

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