シティポップ好き必見 わたせせいぞうの画業50年を記念した”音楽”がテーマの作品集に注目

 株式会社玄光社は、漫画家・わたせせいぞう氏の最新作品集「COLORFUL わたせせいぞうミュージック・コレクション」を刊行する。タイトル通り、音楽に関連した仕事の絵や、「音楽が聴こえてきそうな」作品を中心に構成しており、カレンダーなどの最新作も収録している。発売日は2023年6月28日で、大丸京都店にて6月21日〜7月3日に開催される「わたせせいぞう展」の会場で先行販売する。

 今年は代表作「ハートカクテル」連載開始40年にあたり、20年ぶりの新作「ハートカクテル カラフル」がNHKでアニメ化されるなど、わたせせいぞうワールドが盛り上がりを見せている。来年の画業50年に向けた企画も動き出しており、その第1弾となるのが本作品集「COLORFUL わたせせいぞうミュージック・コレクション」だ。

 わたせせいぞう氏の漫画やイラスト作品は、常に音楽と深く結びついている。仕事場に入るとまず音楽を流す、これが何十年も続く朝のルーティーンとなっていて、「ボクのイラストや漫画のストーリーは音楽なくして生まれない」と語っている。作曲家・島健氏との対談の中では、幼少時より国内外の音楽に触れる生活を送り、一時期はプロの演奏家を目指していたという自身の音楽履歴を披露している。

 「ハートカクテル」には、音楽が流れている場面が随所に出てきます。具体的な楽曲が記されることもあり、ジャンルはわたせ氏が好むジャズやクラシック、ポップスタンダード、オールディーズ、ラテン系などさまざまで、作品テーマである「大人の恋模様」を彩る役割を果たしている。本作品集には、「ハートカクテル」に登場する楽曲のリストを掲載、同作品の単行本未収録エピソードなど、音楽にまつわる漫画作品を数編収録した。

 もう一つ、わたせ作品と音楽の深い結びつきを実感できるのが、音楽ジャケットの仕事です。80年代より、わたせ氏は数多くのレコード・CDのジャケットや、関連ビジュアルを数多く手がけてきた。自身がジャケットを手がけた「ハートカクテル」のイメージアルバムも作られており、コンピレーションアルバムのジャケットも多数手がけている。また、日本の80〜90年代のポップミュージックが近年は「シティーポップ」として国内外で盛り上がりを見せていて、その代表的なミュージシャンであるTUBEや山下達郎のジャケットを手がけたわたせ氏の人気が若い世代にも広がっている。今回は取り上げる数自体は絞る一方で、ジャケット以外の裏ジャケやインナーで使用されたビジュアルや書き下ろしコミックなど、他では見られない貴重な作品を収録した。

■京都の展覧会で先行発売
 書店やネットでの発売に先立って、6月21日より大丸京都店6階イベントスペースで開催される「ハートカクテル40周年記念 わたせせいぞう展」会場にて、本作品集を先行販売。会期中の6月24日(土)と7月1日(土)にはサイン会も予定されている(先着150名限定)。

 「ハートカクテル」と並ぶ本展のもう一つの目玉が、「暦を巡る冒険」と題した連作シリーズ。その第1弾「京こよみ」は、東京に住むカレが月に1度京都に住むカノジョに会いに来る遠距離恋愛をテーマにした1年12カ月の連作で、2020年に今回と同じ大丸京都店での展覧会で発表された。続編となる新作「東京こよみ」が現在制作中で、今回の展覧会では地元・京都が舞台の「京こよみ」全点と、「東京こよみ」から4点が展示される。

 これに合わせて、昨年発売された「京こよみ〜暦を巡る冒険」複製原画12枚セット(アクリルフレーム付税別75,000円/シートのみ税別55,000円)も会場で展示販売。「京こよみ」シリーズからチョイスしたジークレー版画も販売される。合わせてチェックしよう。

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