成功しそうというより実際に成功しているキャラクターも

　ちびまる子ちゃんは実在の人物がモチーフとなっているキャラクターが多い。たとえばケンタというキャラクターのモデルは、元プロサッカー選手（現・名古屋グランパス監督）の長谷川健太である。実際に作者であるさくらももこと長谷川は小学校の同級生。サッカー日本代表歴もある長谷川をモデルにしたケンタは、将来成功しそうというよりも成功しているといえる。

　同じくモデルとなった実在の人物が成功している例でいうと、さくらももこ自身もそのひとりだ。まる子のモデルが作者本人であるということは、まる子は国民的漫画を生み出した成功者ということになる。将来成功しそうなキャラクターというテーマで実際の成功者を持ち出すのは少々ナンセンスでもあるが、ケンタとまる子の名前は上げておきたいところだ。

　そもそも勝ち組や成功の定義は難しく、お金持ちになったりいい仕事に就いたからといって成功したかというと必ずしもそうではない。自分がいかに幸せかと思えることが大事なのだ。そういう意味ではクラスで一番明るく脳天気な山田が、実は一番の勝ち組なのかもしれない。ネット上でも「山田は毎日を楽しく過ごしてる」「この愛され力は社会に出ても大事」など意外にも山田を推す意見が見られた。

　『ちびまる子ちゃん』の登場人物を振り返ると、改めてバラエティに富んでいることがわかる。将来有望な人物から実際に成功している人物、究極のネアカなど深掘りしたいキャラクターばかりだ。今回紹介した以外にも勝ち組キャラがまだまだ潜んでいるかもしれないので、登場人物たちの行動や言動にチェックしながら『ちびまる子ちゃん』を楽しんでみよう。