「パンどろぼう」柴田ケイコの新シリーズ、大人も沁みるストーリーに全国書店員も注目

 累計180万部越えの超人気シリーズ「パンどろぼう」の著者・柴田ケイコによる新たなキャラクターが誕生した。その名もパンダの「おさじ」くん。小さなおさじくんが、ハッピーと謎のパンダ道具をお届けしていくシリーズだ。その第1作となる『パンダのおさじとフライパンダ』が5月10日に刊行された。

 登場人物のひとり「クーさん」は、近ごろ料理を楽しめない料理人。疲れた表情ため息ばかりついているので、クーさんのレストランはガラガラ。

 「毎日やっていることだけど、楽しめない時が自分にもあるんです」と、日々家族の食事の準備をしている柴田は言う。でもそんな時に、ちょっとした変化が起きれば大切なことに気がつけるのかもしれない。この絵本ではそんな変化を、小さなパンダのおさじが巻き起こしてくれる。

 まず一つは、呪文。おさじが踊りながら唱える呪文は、聞いても唱えても楽しい気持ちに。誰もが知っている「おいしくな~れ」の呪文と同じなのだが、柴田の手にかかると子どもが喜ぶ楽しいダンスになる。

 そして二つめは、可愛くておいしそうなパンダ料理。呪文のあとにフライパンダのふたをぱかっと開けると、どんな料理もたちまちパンダ料理にしてしまうのだ。(しかもフライパンダはくちびるには菜箸を挟める機能付き)

 そんな変化によって、クーさんのお店は大繁盛。でも、大事なのはパンダ料理をつくること? いえいえ、自分が楽しむことだったと最後には分かるお話。その前にとんでもなく可愛くて面白い大事件も起こるという本作、ぜひ注目したい。

書誌詳細

『パンダのおさじとフライパンダ』
 作:柴田ケイコ
 発売年月:2023年5月
 定価:1,540円(10%税込)

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