『るろうに剣心』数コマしか出ていないのに、人気投票7位になったキャラといえば?

  「週刊少年ジャンプ」の人気漫画は誌面でよくキャラクターの人気投票を行っていた。この人気投票をネタにした漫画と言えば『ボボボーボ・ボーボボ』が有名だが、それを語りすぎると別の記事になってしまうので、やめておこう。とにかく人気投票はキャラクターの人気を図るバロメーターであり、投票数を見るだけでもその漫画がどれほど支持されているのかがわかるのだ。

 2023年7月よりTVアニメ「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」が公開されることが決定ししている和月伸宏の漫画『るろうに剣心』でも登場人物の人気投票が行われた。単行本(ジャンプコミックス)8巻に収録された第58幕の扉絵で、第1回の人気投票のランキングが明らかになっている。

 1位が主人公の緋村剣心(19,476票)、2位が相楽左之助(9,991票)、3位が明神弥彦(3,659票)と、極めて妥当な順位だ。4位に入ったのは四乃森蒼紫(3,494票)で、さすが“四”がつくキャラ…というのは偶然だと思うが、蒼紫は女性ファンが多かったイメージで、人気の高さがよくわかる。5位はヒロインの神谷薫(2,627票)である。

 さて、この人気投票で、当時わずか数コマしか登場していなかったのに、1,144票を獲得して7位にランクインしたキャラクターがいるのだ。いったい誰だろうか。

 そのキャラは沖田総司だ。新撰組(『るろうに剣心』の作中では“撰”の字を用いる)一番隊組長で、実在の人物である。

 「えっ、斎藤一なら知っているけれど、沖田総司なんて漫画に出てきたっけ?」「瀬田宗次郎の間違いじゃないの?」と思った人もいるかもしれないが、数コマではあるもののしっかりと登場している。幕末、人斬り抜刀斎と恐れられていた剣心と対峙する斎藤とともに沖田の姿が描かれているのだ。詳しくは7巻を読んで欲しい。

 ちなみに、作中で屈指の人気キャラであるはずの斎藤はわずか598票で11位である。これはまだ斎藤が活躍する前に投票を呼び掛けたため、やむを得ないことだろう。

 なお、左之助の師にあたる相楽総三も当時は数ページしか登場していないキャラだったのだが、2,157票で6位に入っている。これはやはり沖田同様にイケメンでかっこいいデザインの影響もあっただろうし、赤報隊の悲劇のエピソードが丁寧に描かれ、読者に強い印象を与えた効果も大きいだろう。

 そう考えると、ほとんどエピソードが描かれなかった沖田が7位に入っているのは凄すぎる、と言うしかない。もちろん新撰組の中でも屈指の人気を誇る人物であるのは言うまでもないのだが、和月がデザインした沖田も実に良い美青年である。もし沖田のエピソードがもっと登場していたら、確実に順位を上げていたのではないだろうか。

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