『ONE PIECE』白ひげ VS クロコダイルの夢の対決も!? スピンオフ漫画が想像以上に面白い

 3月3日、国民的コミック『ONE PIECE』の最新105巻とともに、人気キャラクターたちの“別の世界線”での活躍を描いたスピンオフ学園コメディ『ONE PIECE学園』の6巻が発売された。

 人気漫画のキャラクター設定を活かし、別の舞台で展開するスピンオフ作品はいまや数多く展開されているが、中でも人気を博しているのが『ONE PIECE学園』だ。『ONE PIECE』でお馴染みの人気キャラクターたちが「新世界中学校」に一堂に会し、ハチャメチャな学園ドラマを展開。「最強ジャンプ」で連載されており、漫画アプリ「少年ジャンプ+」でも読むことができる。

 『ONE PIECE』ファンでも読んだことがない人が少なくないと思われるが、キャラクターたちの関係性をいったん解体し、「イフ」の世界線を楽しめるのはなかなか贅沢な体験だ。例えば、『SLAM DUNK』の桜木花道がひょんなことから応援団に入っていたら、湘北高校バスケットボール部のメンバーとどんな関係性を築いたのか。『るろうに剣心』のキャラクターたちが現代の学生になり、剣道を志したらどんな試合が展開されるのか。そんな“ファンの妄想”に近い物語が原作者公認で描かれており、読めばキャラクターたちへの理解が深まるとともに、本家の魅力にも厚みが生まれる。

 詳細なネタバレは控えるが、例えば『ONE PIECE学園』の最新6巻では、学園を舞台に「白ひげ VS クロコダイル」という夢のカードが実現している。オリジナルの『ONE PIECE』においては、クロコダイルが王下七武海加入後に白ひげに敗れていることが伝えられているが、戦いの内容は描かれていない。別の世界線ではあるが、「こんな戦いだったかもしれない」「この二人が実際に出会えばこうなるかもしれない」という想像があらゆる場面で膨らむのが楽しいところだ。

 正直なところ、「人気キャラクターを使ったライトなコメディ」という印象から敬遠していた部分もあったが、学園ドラマとして熱い展開もあり、何よりお馴染みのキャラクターたちの性格や能力がほぼそのまま活かされているため、第一話からストレスなく、「あのキャラクターはどんな登場をするのか」と期待しながら読むことができた。

 第一話から、転校生のコビーが不良のクリークに絡まれていると、同じクラスのルフィが現れて……という展開で、本家の緊迫したストーリーからいったん離れて、しかし違和感なくもうひとつの『ONE PIECE』を味わうことができる。同じ世界線であっても本編にはあまり影響しない「劇場版」にも近いかもしれない。まだ読んだことがない『ONE PIECE』ファンは、まずは「ジャンプ+」で第一話を読んでみよう。

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