江戸川コナンは『HUNTER×HUNTER』の世界でも無双する? 別漫画を舞台にハイスペック主人公の実力を考察

 「週刊少年サンデー」での連載が新展開を迎え、2023年には最新の劇場版が公開、またユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)でのアトラクション化が予定されるなど、人気は高まるばかりの『名探偵コナン』。見慣れてしまうと忘れがちだが、江戸川コナンはハイスペックな主人公で、昨今人気作のスピンオフ作品として増えている「if」の世界線での活躍も想像してしまう。

 例えば、ルパン一家と銭形警部が活躍する『ルパン三世 異世界の姫君』のように、コナンが異世界に転生(転移)したらどうなるだろう。一般的に描かれやすい「異世界」は、文明レベルは中世ヨーロッパ程度で、高度なテクノロジーはないが、魔法・魔術が存在し、モンスターと人間の戦いが続いている……というところだ。そのなかで、明晰な頭脳とともに「腕時計型麻酔銃」や「蝶ネクタイ型変声機」「犯人追跡眼鏡」などのチートアイテム(「伸縮サスペンダー」も地味に汎用性が高い)を持っているコナンは、異世界の難題/難事件を容易く解決し、黒幕を暴き出すだろう。得意のサッカーに象徴されるように身体能力も優れており、「ターボエンジン付スケボー」や「キック力増強シューズ」を駆使すれば、相手を油断させる「子ども」の姿と相まってバトルでも十分に活躍できそうだ。

 よりシビアなところで、例えば『HUNTER×HUNTER』の世界に放り込まれたらどうなるだろう。コナンという名前の由来になっているアーサー・コナン・ドイルによる『シャーロック・ホームズ』シリーズの第1作が『緋色の研究』……ということに引っ掛けて、感情の昂りによって瞳が「緋色」に変化するクルタ族のクラピカとともに、仇敵である幻影旅団を追う、という話が面白いかもしれない。

 明晰な頭脳と”現実世界”の豊富な知識に「主人公補正」も加味すると、コナンはこの世界でも重要人物になる気がしてならない。何かの事件に巻き込まれる形でハンター試験に参加し、機転を利かせて合格。『HUNTER×HUNTER』には「念能力」という異能が存在するが、ヒソカの「オーラ別性格分析」を参考にすると、コナンは「理屈屋・マイペース」の操作系能力と相性がよさそうだ。「ボヘミアの醜聞」「六つのナポレオン像」「高名な依頼人」など、『シャーロック・ホームズ』シリーズのタイトルを適当に挙げてみると、念能力の呼び名にも見えてくる。操作(捜査)系の能力を駆使して、人探しと事件解決に特化した名ハンターになるかもしれない。

 直近の人気作『SPY×FAMILIY』ならどうだろう。ちょうど秘密を抱えていることもあり、フォージャー家の一員になっても馴染みそうな気がするし、何らかの形でロイド・フォージャー(=敏腕スパイの黄昏)のミッションを知ったコナンが、アーニャの同級生としてあの手この手で助け舟を出す……という展開もハマりそうだ。前述の通り“スパイ道具”としても高性能なアイテムを持ち合わせているので、黄昏の同業者として、大きなミッションで正面から共闘するのも熱い。

 設定からしても、存在感からしても、脇役におさまるとは思えない江戸川コナンというキャラクター。もし幼児化せずサッカーを続けていたら、その卓越したスキルと頭脳で『ブルーロック』を攻略するだろうか。もし『約束のネバーランド』の世界に入り込んだら、どのようにグレイス=フィールドハウスから脱出し、真実に到達するのか。言動が想像でき、極めてハイスペックで、しかし「もう彼だけいればいいんじゃないかな」というほど万能な能力を持っているわけではないからこそ、別の世界観に置き換えて活躍を想像してみるのが楽しい。皆さんなら、江戸川コナンをどんな作品の世界に送り込んでみたいだろうか。

関連記事