【漫画】ドラゴンに「養ってください」と頼まれたら? 異世界生物との交流描いたSNS漫画がおもしろい

極端な発想の主人公が生まれたワケ

――まず、『養って欲しいドラゴンと急な人間化は許せない人の話』を制作した経緯を教えてください。

牧瀬:もともと人外の存在が好きなのですが、それに加えて、過去にTwitterで「ゲーム中のドラゴンが人間になったシーン」のスクショをアップして暴言を吐いてる人のツイートを見かけたことが印象に残っており、そこから着想を得ました。

――牧瀬さん自身がドラゴンが人間になることに違和感を持っている、というわけではないのですね。

牧瀬:はい。個人的には別に擬人化に対する嫌悪感はありません 。漫画の主人公は考え方が極端なほうが面白いため、そのように捉えられる描写になりました。ただ、せっかく今までその姿に愛着が湧いたのに、急に別の姿になった時に「あれ……」と思うことはあります。

イルセラは“あのドラゴン”がモデル?

――ちなみに牧瀬さんが好きなドラゴンはいますか?

牧瀬:映画『ヒックとドラゴン』に出てくるトゥースという黒いドラゴンが好きです。言葉こそ通じないものの、猫を思わせる愛くるしさを感じさせます。また、もともと敵対関係にあった主人公に助けられたことをキッカケに、トゥースも臆病な主人公を支える、という関係性になっていく様子がが大好きです。全3部作の最終作の終わりかたも相まって、“共存”というテーマの答えを綺麗に見せてくれる作品です。

――今回登場したイルセラにはモデルはいたのですか?

牧瀬:参考にしたのはポケモンのリザードンとレシラムです。あまりリアルになりすぎないマスコット感のある見た目にしたかったため、ポケモンのデザインを参考にしました。性格は特に決めずに描いたのですが、いつの間にか丁寧な言葉遣いながらも、どこか見下した感じのポンコツができ上がりました。

躍動感ある戦闘シーン

――ドラゴンという空想のキャラクターが日常に上手く馴染んでいました。

牧瀬:基本的に人外生物をキャラクターが“異端扱い”してしまうと重い話になりやすいです。異端ではあっても話をスムーズに進めるため、主人公にはさっさと状況を飲み込んでもらいました。

――ただ、戦闘シーンは躍動感がありました。

牧瀬:正直戦闘描写は苦手なのですが、「メリハリがつけばいいな」と思ってセリフやオノマトペは少なめにしたことが良かったのかもしれません。

――会話劇だけでなく、スライムにアッサリやられてしまうイルセラなど、終始笑える内容でした。笑えるポイントが多いとくどくなりますが、どのようなバランス調整しましたか?

牧瀬:思いついた段階では面白くても、描いてるうちに面白いのかどうか分からなくなってしまいます。ですので、特にバランスについて深くは考えず、やりたい展開をとりあえず詰め込みました。

――最後に今後の展望について教えてください。

牧瀬:現在「コミックアパンダ」や「コミックウォーカー」、「ニコニコ漫画」などで『スティアの魔女』というファンタジー漫画を連載しています。ほのぼのした空気の中に闇が潜む渡し舟の女の子のお話です。ドラゴンの話とは毛色が違う話ですが、よろしくお願いします!

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