『HUNTER×HUNTER』数えてみたら6000字超え。“文字多すぎ問題”で連載からの脱落者も?

 「週刊少年ジャンプ」で約4年ぶりに連載を再開し、最新のコミックス37巻も売れ行き好調な『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博)。複数の陣営の利害関係が交錯する内容と、続々登場する新キャラクターについていくことができない、という読者の声が一定数聞かれるが、「連載からの脱落」に拍車をかけていると見られるのが、以前から語られていた「文字が多い」という特徴だ。

 もちろん、それが必ずしも悪いということではなく、言葉による細やかな説明と、しっかり作り込まれたセリフには読み応えがあり、『HUNTER×HUNTER』という緻密に構築された作品の魅力につながっている面も大きい。しかし、例えば「ジャンプ」が発売される月曜日の朝、通勤・通学中にサクッと楽しみたい人にとっては、重たく感じられることは否めない。スマートフォンで電子版を購読している人は、読書好きでも少々苦労するだろう。

 本日11月14日号に掲載された394話「想定」もやはり文字量が多く、参考までにセリフとナレーションの文字数をカウントしてみると、実に6,109文字(※「!!」や「3点リーダ(…)」は1文字とカウント/手書きのセリフもカウント/ルビ(ふりがな)・回想シーンの判読不能な文字・効果音等は含めず)。ちなみに、落語の演目の説明もあった『あかね噺』も同様に数えてみると1,648文字で、『HUNTER×HUNTER』が3.7倍に上った。この記事の文字数が大体1000文字程度で、6000文字と考えると、読み応えのあるインタビュー記事くらいのボリュームになる。

 いまや「絵がついている小説と考えて楽しんでいる」というファンもいる『HUNTER×HUNTER』。現在の展開についていけない人は、クラピカや幻影旅団など、思い入れのあるキャラクターだけにフォーカスして、その他の勢力争いについては、本格的に進展するまでなんとなくの理解で読み進めるのも一案だ。しかし、細かなセリフまでじっくり読めば、無尽蔵に登場する新たな登場人物にそれぞれキャラクター性があり、冨樫義博という漫画家の天才ぶりに唸らされることも多い。誰もがスムーズに、その魅力を隅々まで味わえる漫画とは言い難いかもしれないが、それぞれの楽しみ方で連載を追いかけたいところだ。

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