「お願いする女性」のイラストがプロの添削で劇的変化 絵の“硬さ”をとるには”安定”を崩すこと

 チャンネル登録者数110万人超を誇る、プロイラストレーター・さいとうなおき氏のYouTubeチャンネルで「【気まぐれ添削104】柔らかさ・可愛さをアップする方法」と題した動画が公開。一見上手なイラストが、プロならではの視点で劇的にブラッシュアップされた。

 「ポケモンカード公認イラストレーター」としても活動するさいとう氏は、視聴者のイラストに対して上達のためのアドバイスを送る「気まぐれ添削」と題した動画シリーズを発信中。2019年10月1日にチャンネルは誕生し、以降、着実にファン数を拡大させている。著書に『イラスト最速上達法』(玄光社)があり、こちらもわかりやすいと評判だ。

 今回、さいとう氏が添削したのは、PN.島崎さかなさんによる『お願い!』というタイトルのイラストだ。「手を合わせて『お願い!』としている女の子を可愛いと思って描きました」というコメントが添えられており、さいとう氏も「文句なしに可愛い!」と太鼓判。しかし、島崎さんは「腕の塗り方がわからず、肌なのに硬い印象になってしまいました」と悩みを抱えており、動画タイトルの通り、「柔らかさ」を表現する方法が解説された。

【気まぐれ添削104】柔らかさ・可愛さをアップする方法

 詳しくは動画を視聴していただきたいところだが、「硬さ」が感じられるのは、腕の塗り方だけでなく「絵全体の問題でもある」と、さいとう氏は指摘する。最大の原因はポージングにあり、「お願い!」と体の前で手を合わせている腕が、キャンバスの下辺をそのまま底辺として、きれいな三角形を作ってしまっていることだという。

 三角形には安定したイメージがあり、イラストに硬さを出してしまう……ということで、さいとう氏は「簡単な方法」として、イラスト全体を傾けて見せた。すると、どっしりと座っていた三角形が不安的に傾き、それだけで確かに柔らかな印象が付加された。同様に、体の前で合掌している手が真っ直ぐに上に向き、それを正面から捉えていることも、左右対称の安定したイメージ、つまり“硬さ”につながっているとして、手首に角度をつけて非対称に調整していく。それだけでポーズが自然な印象になり、硬さがほぐれていった。

 「安定=硬さ」「不安定=柔らかさ」というのは、まさにプロならではの視点だ。その他、細やかなにポイントが解説されており、イラストレーターを目指す人はもちろん、絵を見るのが好きな人にも興味深い内容になっているので、ぜひ動画をチェックしてみよう。

■参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=O_823i7H6Dw

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