禁断の「ホラーコミックス」創刊 令和に蘇る名作アンソロジーシリーズに背筋が凍る

 夏といえばホラーだが、物語出てくるような妖怪や化け物よりも、本当に恐ろしいのは人間かもしれない。そんな自分の近くに、あるいは自分自身に潜んでいるかもしれない恐怖を描いた『ホラーコミックス パウラ 第1巻』(説話社)が創刊。

 あなたの近くに潜んでいるかもしれない恐怖が姿を現し襲ってくる時、そこから逃れられるのか、それとも呑み込まれてしまうのか。暗闇の中、冷たい指先で首筋を掴まれたような怖ろしさ。人の心の抱える闇が、恐怖の世界へと引きずり込む5つのストーリーを収録。

 読み終えた後に残る、いくら振り払っても取り除くことのできないような、恐怖の深淵を味わうことも、また一興だ。電子書籍も同日リリース。晩夏の一冊としていかがだろう。

目次

◆「桜子」御茶漬海苔
妻に先立たれた男は愛娘の桜子を溺愛していた。だが彼氏が出来た桜子は、少しずつ父から離れていく。その桜子には出生にまつわる暗く歪んだ秘密があった……。

◆「美女と鬼女」空路(くろ)
屋敷の窓辺に立ち、いつも外を眺めている美しい娘のことが気になっていた佳介と信良。ある日、門のところまで出ていた娘に出会った彼らは、娘が鬼のような母に閉じ込められていると知る。しかしそれには理由があった……。

◆「狂信の家」もろおか紀美子
幸せな結婚をしたはずだったのに、夫が隠していた狂信的信仰によって蝕まれていく夫婦の仲。やっと離婚できた思った矢先に見舞われた不幸は予言されていた!?

◆「毬夜(まりよ)の池」千之(せんの)ナイフ
夏休み、湖水浴に出かけた由絵ら親友3人娘は予約の行き違いからペンションに泊まれず、近くの古い日本旅館を紹介された。その日本旅館には毬夜という等身大の娘人形が飾られていて……。

◆「切り裂きX」日野日出志
スポーツ万能で成績もトップ、そのうえ美しい星さとみは花園女子学園の人気者。ところが「切り裂きX」から彼女の机に残虐な殺害予告が置かれるようになって……。誰が犯人なのか? 親友か? 先生か? 疑心暗鬼になったさとみは幻想に悩まされるようになっていく……。

書誌情報


『ホラーコミックス パウラ 第1巻』
著者:御茶漬海苔/空路/もろおか紀美子/千之ナイフ/日野日出志
定価:1,980円(税込)
体裁:B6判・並製/256頁
発売日:2022年8月23日
発行元:株式会社説話社

関連記事