お隣のイケメンがまさか☓☓だったなんて……衝撃展開にまんまとハマる『癒やしのお隣さんには秘密がある』レビュー

 まさか、優しくしてくれるお隣のイケメン☓☓だったなんて……。

 やややややややややばい、癒やしのお隣さん、コミックスになるってよーーー!!! 最近は、ショタ·ママ(概念)などの新しい扉を開いてしまっている筆者。まさか、お隣さんジャンル?にまで自ら頭をつっこむ日が来るとは……。

 本作は小説投稿サービス「エブリスタ」で人気の『癒やしのお隣さん』のコミカライズ版だ。学歴をコンプレックスに感じながら、お金のためならと、雑用でもなんでも喜んで引き受けてしまう、保険会社の事務職として働く藤子(25)。彼女の住んでいるボロアパートの隣部屋に、新しい住人が引っ越してきた。その隣人はイケメンで優しく、紳士的なスーパーハイスペック男子の仁科(28)。ひょんなことから、2人は毎夜ベランダでゆるりとお喋りする仲になる。しかし、優しい彼に癒されていた藤子は、だんだんと疑問を抱くようになる。なぜこんなボロアパートに引っ越してきたのか。なぜ藤子にこんなにも優しくしてくれるのかーー。

「はいはい、この平凡そうな女の子がハイスぺイケメンなお隣さんといい感じになって……この先の展開、もう読めちゃいました☆」

 筆者は先の展開を、わりと王道の大人のラブストーリーなのだろうと、妄想していた。漫画のタイトルにもある「秘密」も、藤子にとってはそんなに大きなことではないのだろうと、なぜか筆者がたかを括っていた。だが、本作はそんなもんじゃない、やばい展開が待っていたのだ。

 ネタバレになってしまうので、ふんわりと書くが、フランクにいえばヤンデレな作品だ。筆者は2次元に限る話であれば、ヤンデレは程度の差こそあれストライクゾーン内。わりと好きなジャンルである。ただ、人によっては受け入れがたく、好みの分かれやすいジャンルかもしれない。

 ヤンデレはいわゆる「病んでいる」「精神が普通の状態ではない」という意味とデレデレを合わせた言葉。好きな気持ちが大きくなりすぎて、愛情表現が暴走してしまうということ。ヤンデレはいつその本性をみせるのか、どのようにバレてしまうのか、というところがポイントで、あえて計算して相手が逃げられないところまで囲ったところで自らバラすパターンなど、ハラハラしながら読み進める楽しさがある。そして、ヤンデレがバレた後の本人や周りの変化なども、作品にとっていいスパイスとなるだろう。2次元に限った話であれば、いろいろ捗るしありがとうございますって感じである。

 ちなみに、筆者がこの作品を読んだときの心境の変化をネタバレしない程度にまとめるとこうだ。

 かっこいい……きゅんきゅん……ぞくぞく……ひぇっ?……や、やばい……こわっ……これはホラー?……あれ?でもちょっと面白いことになってきたぞ……ふふっ……かわいい……。

 おわかりいただけただろうか(笑)。もう少し詳しく書くと、最初は純粋にハイスペイケメンにきゅんきゅんして。お互いの距離感に少しもどかしさを感じながらも、ゆっくり心を開いて近づいていく様子に少女漫画のドキドキ感を味わう。しかし、途中から仁科さんの不思議な言動や行動がポロリし、気になる点が出てくる。あれ?もしかして……と思った頃には、もう首元に嚙みつかれていて逃げ場がない状態。藤子さんを想って、理性を保っている顔とかぞくぞくがとまらない。もうこれは仁科さんに洗脳されているんだな筆者も。きっとそうだ。

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