益田ミリ、4年半ぶりの書き下ろしエッセイ『小さいわたし』は童心にかえれる1冊

 漫画やイラストレーターとしても活躍する益田ミリの4年半ぶりとなる書き下ろしエッセイが発売された。原田知世主演の『スナックキズツキ』や黒木華主演の『僕の姉ちゃん』など、ドラマ化が続き、話題を振りまく益田が、本作では子ども時代を、子ども目線で描く。

 幼い頃、胸に抱いた繊細な気持ちを、丁寧に、みずみずしくつづる内容で、大人にこそおすすめの作品だ。「入学式に行きたくない」「線香花火」「キンモクセイ」「サンタさんの家」など、四季を感じるエピソードが収録されている。益田による38点の描き下ろしのカラーイラストも掲載されているのも注目だ。

 「おとなになると今日のことを忘れてしまうのかな。そうだとしたら、すごくいやだ。こどもの頃のわたしは、いつもそんなふうに思っていたんです。」(「はじめに」より抜粋)

 「こども時代は本当に短いものです。長い人生のほんのひととき。なのにプリンのカラメルソースみたいに他の部分とはちがう特別な存在です。人がいきなりおとなに生まれるのだとしたら味気ないに違いありません。」(「おわりに」より抜粋)

――目次抜粋――
【春】入学式に行きたくない/四葉のクローバー/仲良しのひらがな/横断歩道のじごく/絵具をまぜてごらん/おへその心配/かわいい妹/「ん」がつく言葉/熱が出た/ずっときゅうけい/カスタネット
【夏】水たまり/救急車/学校のトイレ/ピアノをひいた!/たからもの/金魚さん/カミナリ/プール/ねこふんじゃった/うちとちがう/線香花火/わたがし
【秋】夏休みが終わって/小さいわたし/はんたい言葉/土のうさぎ/魚つり/お金のチョコレート/キンモクセイ/転校生/ふたつのおしゃべり
【冬】サンタさんの家/ほうたい/お正月/たこあげ/わたしの雲/校長先生/ひみつのドッヂボール/帰ってきたクリン/春がくる

■プロフィール
益田ミリ(ますだ みり)1969年大阪府生まれ。イラストレーター。主な著書にエッセイ『おとな小学生』(ポプラ社)、『しあわせしりとり』(ミシマ社)、『永遠のおでかけ』(毎日新聞出版)、『小さいコトが気になります』(筑摩書房)他、漫画『すーちゃん』(幻冬舎)、『沢村さん家のこんな毎日』(文藝春秋)、『マリコ、うまくいくよ』(新潮社)、『ミウラさんの友達』(マガジンハウス)、『泣き虫チエ子さん』(集英社)、『お茶の時間』(講談社)、『こはる日記』(KADOKAWA)他、絵本『はやくはやくっていわないで』(ミシマ社、絵・平澤一平)などがある。

■書籍情報
出版社名:ポプラ社
出版年月:2022年6月
ISBNコード:978-4-591-17400-5(4-591-17400-X)
価格:1540円(税込)
頁数・縦:173P 20cm

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