『BLEACH』だけじゃない、2000年代に連載開始&ジャンプを支えたバトル漫画たち

 10月よりテレビ東京にて、10年ぶりの続編となるアニメ『BLEACH』が放送される。同作は「週刊少年ジャンプ」にて、2001年から2016年まで連載された人気作品。本稿では、同じく00年代に連載を開始し、「ジャンプ」を盛り上げたバトル漫画を振り返りたい。

『D.Gray-man』

 2004年27号から2009年22・23合併号まで連載された『D.Gray-man』。現在も「ジャンプSQ.RISE」で連載している作品だ。主人公・アレン・ウォーカーがエクソシストとして世界終焉を計画する千年伯爵と対峙しながら、囚われた魂を救済していく。

 本作の特徴のひとつとして、ダークファンタジー色のつよい世界観が挙げられる。宿敵・千年伯爵が手掛ける悪性兵器「AKUMA」には死者の魂が宿っており、その見た目からグロテスクな印象を受ける。

 「AKUMA」は作中で敵対視される存在であるが、アレンをはじめとするエクソシストが集う「黒の教団」(移転前)の外観は非常に重々しい。闇夜を背景として断崖絶壁に高くそびえたつ黒の教団の姿が放つ雰囲気は、さながら敵勢力の拠点にも見えてしまう。

 様々な描写によって生み出される重々しい空気感は、当時連載していた他のジャンプ作品と比較しても一線を画すものであっただろう。

『家庭教師ヒットマンREBORN!』

 2004年26号から2012年50号まで連載され、連載終了後も舞台化されるなど幅広い層に親しまれている『家庭教師ヒットマンREBORN!』。本作の主人公は勉強もスポーツもダメダメで、同級生からは“ダメツナ”と呼ばれる「沢田綱吉(ツナ)」。彼がマフィアのボスとしてふさわしい人物となるため、家庭教師である「リボーン」と過ごす日々が描かれる。

 連載当初はツナとクラスメイトを中心とした学園コメディ作品として描かれるものの、途中からバトル要素を含んだ作品として展開していく。物語のテイストが大きく変化したことを受けて、作者である天野明氏は絵を意識的に変えたことを明かしている(2)。

 具体的に天野氏は描線を細くし、線と線の間をあけずにしっかりつなぐことで絵の立体感を高めた。また線の密度を高めつつ、筆状のペンを用いることで線の抑揚をつける工夫も凝らしている。

 当時「Gペン」「丸ペン」といった先端にインクを付けて描くペンが主流であり、筆ペンは広い範囲を黒く塗りつぶすために用いることが一般的であった。バトル漫画としての迫力を高めるため天野氏が凝らした試行錯誤の数々が、魅力的な絵を生み出したといえるだろう。

 様々なバトル漫画が対等するなか、本作が多くの読者から支持を得た背景には、天野氏が描く繊細で迫力のある絵の存在が大きかったはずだ。

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