“アイドルとの恋愛漫画”の新風『マイアイドル・マイダーリン』 一度読みだしたら止まらない勢いの正体

 憧れのアイドルとの秘密の恋......。今ではすっかり恋愛漫画の定番ストーリーとなったが、作中で描かれるアイドル像や、互いが距離を縮めていくまでの過程は時代と共に変化し、更なる広がりを見せている。

 5月20日に「LINEマンガ」でスタートした『マイアイドル・マイダーリン』(綾瀬まの)は、今の時代を感じさせる、番組オーディションを勝ち抜いたボーイズグループが登場。そして、読者を引っ張るようなテンポの良さで、一大ジャンルとなった“アイドルとの恋愛漫画”に新しい風をもたらすものとなっている。

わたしが人気ボーイズグループのメンバーに!?


 主人公は、亡くなった兄の娘であるナツを育てるため、シングルマザーになったゆき。慎ましくも幸せな生活を送っていたが、とある事件をきっかけに男装して大人気ボーイズグループ 「マイン」の新メンバーとしてデビューすることに。

 アイドルとの恋愛どころか、自分がメンバーになる大胆な展開から始まる本作。周囲に本当の姿がバレないように隠し通すスリル感が見どころ。また、「マイン」が番組オーディションを勝ち抜いて誕生したグループであることなど、昨今の音楽シーンを思わせるリアルな設定がとっつきやすく、自然と作品の世界に入れる間口の広い作品となっている。

読者を引っ張っていく、圧倒的テンポの良さの正体

 ゆきが「マイン」の新メンバーとしてデビューする設定はもちろん、そのきっかけとなった事件もかなり突飛であるため、読んでいると思わずツッコミを入れたくなることがある。だが、『マイアイドル・マイダーリン』からは、そんな余裕を与えないほどの圧倒的なテンポの良さを感じる。その正体は、本作が、webtoon(ウェブトゥーン)と呼ばれる、縦読みフルカラー形式の漫画である点に隠されている。


 webtoonは、スマホ画面のスクロールで読み進めていくため、吹き出しやコマなどの各パーツ配置を調整することで、読みやすさをコントロールしている。本作は、各パーツが直線上に配置されていることが多く、これによって突飛な展開もサクサクと読み進めることができるのはもちろん、作中に並々ならぬ緊張感を生み出し、一度読みだしたら止まらない勢いを作っている。

推しを見つける楽しさも


 ボーイズグループ 「マイン」として活躍する彼らが舞台で見せる顔、そして、メンバーとなったゆきに見せる素顔とのギャップに思わずキュンとするなど、推しを見つける楽しさもある本作。ぜひ、webtoonならではの表現にも注目しながら読んでみてほしい。

・『マイアイドル・マイダーリン』
クレジット:©Mano Ayase/LINE Digital Frontier
作品URL:https://manga.line.me/product/periodic?id=Z0001943

関連記事