【漫画】“すき”と“きらい”のどっちが好き? 不思議なディベートを繰り広げた結果がおもしろい

ーー自分はどちらの派閥かと考えながら読み進め、3人の世界に没入してしまいました。創作のきっかけを教えてください。

asahi:ふと「好きと嫌い、どっちが好きか」という問いが頭に浮かび、日常のなかでこの問いを誰かに質問をすることはあまりないなと思いました。この問いを題材として作品をつくってみようかなと思い、物語を膨らませながらつくったのが本作です。

ーーasahiさんは本作に登場する3人の日常を描いた作品を数多く投稿されているかと思います。

asahi:3人ってそれぞれのキャラクターを動かしやすいんですよね。本作は好き派と嫌い派の2人だけでも成立するのですが、3人目のキャラクターがいると物語のオチをつけやすくて。

 本当は登場するキャラクターを増やしていきたいです。ただ今の自分がひとつの作品で動かせるキャラクター数の限界値が3人であると感じています。

ーー読者の方に見てほしいポイントを教えてください。

asahi:作品を楽しんでもらえたらどんな読み方をしていただいてもうれしいです、強いて言うならば、この3人がまた何かやっているなと思ってほしいですね。

 もしもこの3人に自分が混ざったらこんなこと言うだろうと想像したり、こいつらバカだなぁと思いながら眺めたり。そんな風に3人を見てもらえたら作品を楽しんでいただけるかと思います。

ーー“好き”と“嫌い”のどちらが好きかというアイデアが秀逸だと感じました。本作をはじめとするアイデアのつくり方を教えてください。

asahi:散歩をしているときなど、フレーズを思いついたらスマートフォンのメモに記録し、アイデアをストックしていますね。また私はプロットなどを事前に考えるのではなく、とりあえず描いてみることを大切にしています。お話をつくろうとしても思い浮かばないのですが、描いているうちに少しずつ細部が浮かんでくるからです。

ーーasahiさんはTwitterで発表した作品を同人誌にまとめ、通販サイトや即売会で発売しているかと思います。同人誌をつくったきっかけは?

asahi:自分が同人誌をつくるとは夢にも思っていませんでした。ずっと同人誌をつくる勇気がなくて。ただ以前Twitterに投稿した作品を多くの方に読んでいただいたことがあり、反響のうれしさから勢いでコミティア(同人誌の即売会)に参加を決め、同人誌をつくりました。その勢いがなかったら同人誌をつくること、そして漫画を描くこと自体も辞めていたと思います。

 また当時は同人誌をどうやってつくればいいのかわからなかったので、恐る恐る調べながら注文しました。そのあとも本当に1冊の本になるのかという不安を抱いていましたね。同人誌が入った段ボールが届いたときには、まだ1冊も売れていないのに「終わりだ、やりきった」と感じていました(笑)。

ーーコミティアにはじめて参加したときの感想を教えてください。

asahi:当日の朝はとても怖かったです。「自分の同人誌なんて誰も買うわけないじゃん」と感じ、自宅へ帰りたいとさえ思いました。しかし、いざコミティアがはじまるとTwitterを見てブースを訪れてくれた方がいたり、その場で同人誌を手に取って購入してくれた方もいたり……。

 自分が描いたものを読んでくれるだけでもありがたいのに、同人誌を購入していただき、今まで味わったことのない感情になりました。そのときに漫画をずっと描き続けたいと思いましたね。

ーー今後の目標について教えてください。

asahi:漫画を描きつつ漫画の仕事ができたらと思いつつ。コツコツとやるしかないなという気持ちで、これからも描き続けたいと思います。

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