『ONE PIECE』ルナーリア族が“空白の100年”紐解く鍵に? 神と呼ばれた種族の謎を考察

※本稿は『ONE PIECE』のネタバレを含みます。

 ワノ国編も佳境に差し迫り、終幕に向け次々と伏線を回収している『ONE PIECE』。しかし鬼ヶ島での戦闘の中で、新たな謎もいくつか登場している。その中でも特に今後を左右するのは、百獣海賊団の実質No.2・キングの正体であり、歴史と密接な関わりを持つ「ルナーリア族」についてだろう。

 ルナーリア族とはどのような種族で、物語にはどんな影響を及ぼすのか。ワンピース研究家の神木健児氏に見解を聞いた。

「糸口さえ掴めなかった『ワンピース』の正体が、ルナーリア族の歴史がわかれば少しずつ見えてくるような気がしています。というのもルナーリア族は、どんな環境下でも生存可能で、かつて“神の国”に住んでいた種族です。昔はレッドラインの上に住んでいたものの、すでに絶滅したとされていることも判明しています。そもそも著しく防御力が高い強靭な種族が、絶滅している事実自体が不自然で、何者かによって迫害されたと考えるのが自然でしょう。現在の世界で『神』と言われれば、1番に思い浮かぶのが天竜人です。つまりルナーリア族は現在の世界政府や天竜人によって排除された種族であると察することができ、彼らの歴史が紐解ければ『空白の100年』の全貌も見えてくるのではないかと思います。『空白の100年』の真実がわかれば、『ワンピース』に近づくときもそう遠くないでしょう」

 読者からはキングの外見から、シャンディアの戦士との関係性に注目する声が多く挙がっていた。しかし神木氏は、別角度からルナーリア族と空島の関係を考察する。

「もちろん肌の色合いや左目を囲うタトゥーなど、ワイパーに似ている部分も少なからずあるので、関係がある可能性はあります。ただキングのタトゥーが植物柄なのが、空島との関係を示唆しているような気がしているんです。空島でもコニスの服や『HEAVEN'SGATE(ヘブンズゲート)』には、植物の模様が描かれています。なので空島とルナーリア族には、交易をしていた過去があるのかもしれません。また空島と言えば、エネルが降り立った月にも未ださまざまな謎がありました。過去の月は資源が豊富で人が住んでおり、その後に資源がなくなり人々が青い星に降りてきたとわかっています。『ルナ』はラテン語で、『月』もしくは『月の女神』を指す言葉です。月に住んでいた種族がルナーリア族なのか、その真相はまだ描かれていませんが、どちらにせよ太陽、空島、レッドライン上、月の4箇所は、かつて密接に関わっていたのかもしれません」

 またすでに発覚しているキングの年齢から、ルナーリア族の現状について神木氏は語る。

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