キャラと背景が馴染まないのはなぜ? プロイラストレーターの添削による“ビフォー・アフター”がすごい
1点目の「デフォルメ」に関しては、比較的リアルに描かれた少年と比較して、猫が大きく、強めにデフォルメされている部分を調整。なるほどビフォー・アフターで比較してみると、元のイラストでは猫の描き方がややコミカルで、少年とのマッチングに少し違和感が生じていたことがわかる。またさいとう氏は、猫のポーズを少年に寄りかからせるものに変更し、「接点」を作ることで一つの絵として馴染ませており、プロの技に唸らされる。
そして2点目、「何を描こうとしているのか」というところだが、元のイラストでは背景に窓が大きく描かれていたところを、さいとう氏はカーテンで隠し、そこから透けて見える光と、窓から入ってくる爽やかな「風」を強調。窓を描くことで何を表現したいのかーー青空なのか、風なのか、太陽の光なのか……というところまでしっかり考えることで、イメージが散漫にならず、背景もキャラクターとしっかり馴染んでいくという、まさにプロならではの視点による添削だった。
その後もさいとう氏は、背景とキャラクターが乖離してしまっている理由を細かく解説。元のイラストも十分に優れたものに思えるが、添削後と見比べると、プロのすごさが実感できる。イラストレーターや漫画家を目指すクリエイターはもちろん、絵を生業とするプロの技術を目の当たりにしたい人も、ぜひ動画をチェックしてみよう。