『僕のヒーローアカデミア』物語を盛り上げる魅力的なヒロインたち
「週刊少年ジャンプ」で連載中の『僕のヒーローアカデミア』。世界の人口の約8割が超常能力である個性を持つ社会。そんな中で無個性だった主人公・緑谷出久、通称デクが多くのヒーローを輩出した国立雄英高校・ヒーロー科に入学し、「最高のヒーロー」を目指して成長していく物語だ。
そんな『僕のヒーローアカデミア』にはたくさんのヒロインたちがいる。本稿ではデクのクラスメイトである1年A組にスポットを当ててみる。
恋心を胸に秘めて 麗日お茶子
入試前からデクと接点があり、「いい人」として認識されていたお茶子。本来、爆豪勝己からつけられた「木偶の坊」由来のあだ名「デク」もお茶子にかかれば「がんばれって感じで好き」とポジティブな印象にガラリと変わる。
友人としてデクと行動を共にすることが多いが、デクに頼ってばかりだと気がつき、自分だけの力で勝って見せる、と「ヒーロー」として強くなりたいという気持ちも膨らませていく。
いつしか、デクに想いを寄せるようになるが、目標のためにいっぱいいっぱいになっているデクの邪魔をしたくないという思いもあるのだろう。本人は恋心にはフタをしているつもりだが、周囲にはダダ漏れである。お茶子の想いに気がついていないのはデクだけ……のような気がする。
孤高のヒロインが見せるかわいさ 八百万百
雄英高校に推薦で入学した優秀な生徒である八百万百(通称ヤオモモ)。裕福な家庭で育ったお嬢様で、初登場時はどこかツンとした気高さがあった。
ヒーロー科に入学した生徒たちの多くは自分の力に自信があっただろう。特に、八百万はA組で2人しかいない推薦入学組だ。自信があって当然だろう。しかし、デクや爆豪の活躍、体育祭で結果が出せなかったこと、そして同じ推薦入学者である轟の活躍。自分の選択は正しいのだろうか、と自信が持てず、とっさの判断が遅くなっていく。忘れてしまいそうになるが、彼らはみんな15歳、16歳なのだ。
そんな彼女の自信を取り戻させたのが轟だ。八百万の長所を指摘、その部分を伸ばすように仕向けた。それ以来、轟と八百万の絆はほかのクラスメイトたちとは少し種類が違うもののように感じられる。また、次第に天然の部分が出てくるようになってきたことで、クラスメイトたちからの親愛度も上がっている。凛とした強さとキュートさを兼ね備えたヒロインと言えるだろう。
A組の女子のリーダー? 耳郎響香
サバサバした性格で男女問わず良い関係を築いている耳郎。ともすれば絡みづらい爆豪にも言いたいことをズバッと言い、裏表がない。音楽の道に進むか、ヒーローの道に進むかを悩み、自分自身で決断をしたという過去がある。
特に上鳴と仲が良く、263話では戦いを前に弱気な上鳴が「一番守りたいものを思い浮かべな」と言われて耳郎を意識する。耳郎もまた、上鳴を心配しており、見えない絆が感じられる。迷ったり、立ち止まったりするときに耳郎の心を動かすのは上鳴の言葉であることが多い。耳郎が素の自分を見せるのは、本当は上鳴の前だけなのかもしれない。