サンマの丸かじりはまだ序の口? 『ザ・ファブル』佐藤明の豪快すぎるサバイバル料理

 南勝久原作の漫画、『ザ・ファブル』。二度の映画化など、高い人気を誇るこの作品にはさまざまな魅力があるが、大きな要素として主人公・佐藤明の常人離れした行動がある。

 特に顕著だったのが、明の作る料理だ。今回はそんな彼の豪快かつ驚きの料理を振り返りたい。

サンマの丸焼き

 明が好む食べ物と見られるのが、サンマの丸焼きである。第1話でボスから出された際には「また魚か…」とつぶやいていたが、大阪に移住してからもマンションの屋上で焼くなど、たびたび食べる描写があった。

 彼のこだわりは「頭から丸ごと食べる」こと。洋子によるとボスから「サンマくらい骨ごと食え」と教えられたのだそう。「普通を味わう」ために大根おろしをかけ、醤油をかけて食べることもあったが、その後は頭から食べるのが定番だった。

 サンマは日本人に愛される秋の味覚。刺身や焼き魚など、いろいろな食べ方で愛されている。頭から食べる人はなかなかいないだろうが、「頭から丸ごとすべてをいただく」食べ方は、サンマの命を大事にする「礼儀」と言えるのかもしれない。

ヘビの丸焼き

 明の山ごもりに同行を申し出た真黒組組員のクロ。キャンプ気分で米やカセットコンロなどを持参するが、全て没収され、「食料は現地調達」と告げられる。

 2人が山奥に入ると、ヘビが姿を現す。クロは驚いて飛び上がるが、明は「でかした」といいながら捕獲。ナイフで頭を切り落とし、「夕飯ゲットしたな」と首に巻いて歩を進めた。

 その後、明は川辺でヘビをさばき始める。ドン引きするクロに、「牛も鳥も毎日誰かがこうしてさばいている。命をいただくってことは見といたほうがいいかもな」とつぶやき、皮を落として木にくくりつけ、40分かけて丸焼きにする。

 クロは「触るだけでも嫌やのに、食べるなんて絶対無理や」とつぶやき、明にも「苦手で…」と拒否する。しかし、明に「ヘビやと思わずこういう栄養源と思ってみィ」「先入観はよくない」と促されると、嫌々口に入れる。すると、その味を気に入ったようで、ガツガツと食べるようになる。「ヘビってこんなに…」と驚くクロに明は「言わなくてもいい」と声をかけた。

 中華料理のなかには、ヘビの肉を使った料理も存在する。少々グロテスクなイメージもあるが、その味は鶏肉に近い美味とも言われ、特にサバイバルの空腹下ではごちそうになるのかもしれない。

松葉のお茶

 山の中で明がクロに勧めたのが「松葉のお茶」だ。明いわく「血をきれいにして血管を強くし、冷え性にも効く」とのこと。明はお茶の知識について「ボスに教わった」と話していた。

 お茶について明は「松は見分けがつきやすいうえに、山に行けばだいたいある。ビタミン、ミネラルやら、カルシウムも含んでいる。最悪食料が取れなくてもこれさえ飲んでりゃ、しばらく死ぬにはせん」とも語っていた。お茶を飲んだクロは「普通にお茶うまいですよ」とその味を絶賛した。

 キャンプブームの昨今だが、不測の事態が発生する可能性もゼロではない。そんなとき「松葉のお茶」の知識が役に立ってくることもあるかもしれない。

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