『HUNTER×HUNTER』の"ラスボス”となるのは誰だ? 暗黒大陸編の伏線から考察

 ハンターとして奮闘する少年の冒険を、ファンタジー要素一杯に描く大人気アクション漫画『HUNTER×HUNTER』(集英社)。豪快なバトルと作り込まれたストーリーが持ち味の本作は、休載を続けながらもファンを掴んで離さない。そしてバトル漫画には必須とも言える、「ラスボス」の存在が明らかになっていないのも本作の大きな特徴だろう。そこで本稿では3人のキャラクターを挙げ、気になる『HUNTER×HUNTER』のラスボスを徹底考察していく。

※以下、ネタバレあり。

 本作のラスボスについて考察するに当たり、まず触れておかなければならない人物がジャイロである。ジャイロはキメラアント編にて初登場を果たし、突如生い立ちが語られたものの、その正体を一切明かさずに姿を消したキャラクターだ。作中ではゴンと対面もせず強烈な伏線のみを残したため、読者は彼が重要人物である気がしてならない。元々はNGLの裏の顔であり、王だったジャイロ。数少ない彼の登場シーンでは、自我の強い悪意に満ちた精神についても語られている。彼はゴンと対比するように描かれ、“大きなことをする”とその後の活躍さえ匂わせていた。作中にて「2人が出合うまでーー」とゴンとの出会いも予感させているジャイロが、今後重要な場面で再登場する可能性は高いだろう。

 次に大穴として紹介するラスボス候補は、ゴンの父親であり目標であるジンだ。実の息子であるゴンを幼馴染みに預け放浪する破天荒親父で、ハンターとしては超一級の実力を持つ彼。そもそも本作は、ゴンがジンに会うことを縦軸に開始した作品である。そして単行本32巻にて遂にゴンと再会を果たしたジンは、ゴンに「この世界の“外”」の話をした。そして彼は「お前の行き先が将来オレと重なるようなら」と、ゴンと自分の行末がリンクすることを思わせる発言もしている。父の偉大な背中を追ってきたゴン。そんな彼が父を超える、もしくは父に行手を阻まれるときが来るのかもしれない。

関連記事