伊藤沙莉が語る、自分を肯定することの大切さ 「肯定すると、いろんなことが広がります」

――お写真も拝見しましたが、今までに見たことのない表情がたくさんあって、とても素敵でした。

伊藤:あぁ~、嬉しい。これまで撮ってもらった写真の中で、自分が一番好きだった写真のカメラマンさんにお願いできたことも、本当に贅沢だなって思いました。エッセイの内容もそうですけど、結果として、今まであまり見せていなかった私が詰まった1冊にできたことが、すごくありがたかったです。

――お気に入りの1枚はできましたか?

伊藤:なんだろう……でも一番、自分を俯瞰で見ないようにしたのは、白い服を着てるときです。三つ編みしている写真なんですけど、かなり“かわい子ちゃん”な感じで撮ってくださったので、ちょっと油断すると「私は一体、何をやってんだろ」ってなっちゃうんですよ。だから、そうならないように「私は広瀬すずなんだ!」って思いながら撮りました(笑)。「かわいいんだ、私は!」って、だましだまし。

――自分を肯定して、ですね。このサイトは「リアルサウンドブック」ということで、ふだん本はお読みになりますか? 過去のインタビューで、松岡茉優さんからたくさん本をいただくというお話は拝読したのですが。

伊藤:そうなんですよ。松岡からもらった本がなかなか読めなくて、たまっていく一方で申し訳ないんですけど。この前、“殺されかけて、自分がドMということを知りました”みたいな漫画は読みました。なんちゅう本をくれたんだって思うけど、それはめちゃくちゃ面白かったです。お兄ちゃんも読んで、面白いって言ってましたね。

――とても内容が気になります(笑)。今はお忙しくて、なかなか本を読む時間も取れないのでは?

伊藤:家にはたくさん本があるんですけど、もともと集中力を持続させることが難しくて。だから、読んでは違うことをして、また読んでは違うことをしてっていう。でも、読もうという気持ちはあるので、一つの作品を読み終わるまでの時間は長いけど、常に持ち歩いてコソコソ読んだりはしていますね。本自体はすごく好きなんですよ、小説も。

――ありがとうございます。では、本の発売を心待ちにしている読者の方へメッセージをお願いします。

伊藤沙莉

伊藤:見どころは、やっぱりみんなが知らない伊藤沙莉。私と同じように、自信がなかったり、コンプレックスに足を引っ張られたりすることって、意外とあると思うんです。この仕事をしてると、キラキラしている世界にいるとか、ちょっと人とは違うように思われがちだけど、そんなことはない普通の人間なので、普通の観点でしか書いていなくて。特別なのは、この業界に入ってから起きた出来事くらいで、それ以外は本当に普通の“千葉の女の子”の話。となると、自分を投影したり、共感したりできるところも少なくないのかなと。そこで何か1個でも励ましになったり、ちょっとした支えになったら嬉しいし、ありがたいですね。

 あとは、InstagramのDMとかで「写真集を出してください」って言われたときには、「需要がないから絶対に無理だよ」と言っていたんですけど、それもなんとなく叶っちゃったよ!っていうくらい、写真もてんこ盛りに入れてくださいました。いろんな表情をしていると思うので、そこも楽しみにしていただけたらと思っています。

伊藤沙莉プロフィール

1994年5月4日生まれ。千葉県出身。A型。ドラマ、映画、舞台で活躍中。天性の芝居センスでシリアスもコメディもこなすマルチ女優。2021年はエランドール新人賞、第63回ブルーリボン賞助演助演女優賞を受賞。6月パルコ劇場「首切り王子と愚かな女」に出演。

■書誌情報
『【さり】ではなく【さいり】です。』
著者:伊藤沙莉
発行:株式会社KADOKAWA
定価:1,980円
発売日:6月10日

■スタイリングクレジット

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