『呪術廻戦』のヒロインは伏黒恵? クールな二枚目キャラに秘められた熱い想い

 TVアニメも第2クールに突入し、ますます人気が高まる『呪術廻戦』。様々なコラボが行なわれたり、雑誌やテレビなどで特集が組まれたり、まだまだ盛り上がりを見せそうだ。その人気の要因の一つがキャラクターだ。同作には魅力的なキャラクターが多く、話題になってきた。その中の一人が、主人公・虎杖悠仁の同級生である伏黒恵だ。

※以下、ネタバレあり

 伏黒は、虎杖が両面宿儺の指を呑み込むに至った理由を作った人物でもある。呪術界の御三家である禪院家の分家出身で、幼い頃から呪術が使える存在であった伏黒。実父である伏黒甚爾は伏黒が生まれた後に義姉・津美紀の母親と付き合い始め、後に蒸発。

 本来であれば禪院家に売られるはずだったが五条悟が阻止したという流れだ。複雑な家庭環境と呪術師にならなければいけないことに反発し、中学時代は荒れてグレていたが、義姉・津美紀が呪いで寝たきりになってしまったことがきっかけで呪術師になり、高専へと入学する。今ではクールなイケメンキャラに成長し、1年生3人の中では経験値が一番多い存在として、強さを発揮している。

 伏黒の特徴は、熱さと冷静さを併せ持っていることだろう。少年院の受刑者たちを助ける任務に行った際、伏黒はこんな冷静な言動をしている。

「ただでさえ助ける気のない人間を死体になってまで救う気は俺にはない」

 すでに呪霊に殺されてしまっている受刑者を救おうとしている虎杖に対し、そう強く言い放ったのだ。罪を犯した罪人は助けるに値しないという、自分の中にある善悪に基づいて、冷静に状況を判断できる人物であることがわかる。

 しかし、熱さも併せ持っていることで、伏黒は人間らしい味のある人物像になっているのがポイントだ。例えば、原作単行本2巻で伏黒はこんな風に語っている。

「少しでも多くの善人が平等を享受できる様に俺は不平等に人を助ける」

 宿儺に追い込まれた際、自分が呪術師になったきっかけを胸の中で熱く語った伏黒。熱い気持ちを持ちつつも高校1年生らしくまだ完璧でなく、間違った選択をしたり、感情的になってしまったりもする。

 例えば物語の始まり、虎杖が宿儺の指を食べてしまったのは、自分の未熟さ故と思っている節があるようだ。パパ黒こと伏黒甚爾のように、自らの判断には善も悪もないというタイプではなく、きちんと心を痛めることができる、不完全な部分こそが伏黒の可愛らしい魅力でもある。

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