リアム・ギャラガー、フリー(レッチリ)……『BECK』キャラのモデルとなったミュージシャンたち

千葉恒美(ボーカル)

(C)ハロルド作石・講談社/2004 BECK製作委員会

 千葉は血の気が多いキャラクターで、作中では仲間からフーリガンと呼ばれるシーンもある。バンドマンであるにも関わらずラップのコンテストにおいても上位に入賞するほどにラップの才能が豊かだ。モデルは竜介と同じく、バッキンガム宮殿の千葉大輔だと言われている。

 ロックバンドの中でラップを歌うその様は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニー・キーディス、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのザック・デ・ラ・ロッチャ、リンプ・ビズキットのフレッド・ダーストのようだ。

 作中ではバンドのレコーディングにおいて「レイジっぽい感じで!」というセリフが登場し、竜介は同バンドのトム・モレロのようにギターをプレイするシーンがある。BECKというバンドがレイジアゲインストザマシーンやレッドホットチリペッパーズのような1980年代から1990年代にかけてのオルタナ世代のロックバンドをモチーフとしているようにも感じられる。

桜井裕志(ドラム)

(C)ハロルド作石・講談社/2004 BECK製作委員会

 同級生としてコユキをいじめから守るシーンが描かれる桜井(通称”サク”)はパワフルなドラミングが特徴的で、物語の序盤から高い演奏能力があるドラマーとして大きな存在感を示した。

 サクのモデルは諸説あるが(Dragon Ashの桜井誠など)、プロレスラーの桜庭和志という説が根強い。一重で優しそうな顔はまさにそのもの。また、作者であるハロルド作石が無類のプロレス好きであることもこの説が根強い理由となっている。

 BECKのファンの間では「キャラクターのモデルになった人物は誰か」というトピックは初期から親しまれており、人によってイメージする人物は様々だ。このテーマでもう1度作品を読み返してみるのも、作者が期待する楽しみ方の1つだろう。

■嵯峨駿介
23歳でBass Shop Geek IN Boxを立ち上げ。楽器関連の他にグルメ、家電など幅広い分野でライターとして活躍中。Twitter:@SAxGA

■書籍情報
『BECK』(KCデラックス)全34巻完結
著者:ハロルド作石
出版社:講談社

関連記事