鈴木絢音の“王道なアイドルではない”魅力とは? 1st写真集『光の角度』で示した普遍性
普遍的なアイドルの魅力
令和2年。アイドルの形はさまざまだ。“アイドルらしい”ことの定義も曖昧だし、定義づける必要もないのかもしれない。ただ、どんなアイドルでも、ファンの心を支える存在であることは確かだろう。アイドルが好きな人なら共感してくれるだろうが、推しの笑顔を見れた日にはより一層気分が良くなるし、推しが落ち込んだ日には一緒になって頭を悩ませる。そんなふうに、一緒に夢を追いかける楽しみがある。ただし、特に女性アイドルは活動期間が短く、グループを卒業したり、表舞台から姿を消したり、いつしかアイドルとしての活動を終えてしまう。活動を終えることは寂しいが、アイドルとしての活動を終えてもなお、ファンの心を支える存在として記憶のなかに生き続けるのがアイドルではないだろうか。昭和から令和。アイドルの形は今や多岐に渡るが、本質的な部分はきっと変わっていない。アイドルの普遍的な魅力はここにあると私は考えている。
鈴木絢音は自らを“王道なアイドルではない”と語った。しかし、ファンの記憶のなかに生き続ける“アイドルとしての概念”に基づく存在であることは確かだと思う。『光の角度』。写真集のタイトルの通り、あらゆる角度から光を取り入れて撮られた一枚一枚の写真に、鈴木絢音が存在した事実がしっかりと刻まれている。そして数年後、再びページをめくったときには、また違った角度の光を当てて彼女の姿を目にするはずだ。例え乃木坂46を卒業してしまったとしても、何度も彼女の存在に救われるだろうし、何度も彼女の笑顔に心が照らされるだろう。アイドルにも“旬”があるけれど、この写真集は今風に振り切っていがゆえに、少し年月が流れた頃に、また心のどこかで求めてしまう予感がしている。世情が落ち着いたら、彼女が見たタヒチ島とモーレア島の風を受けに行きたい。時間の流れと普遍の光。鈴木絢音の存在を、五感で楽しめる写真集だ。
■とり
日々グラビアに勇気と希望をもらって生きており、 グラビアを熱くドラマチックに語るのが趣味。 読んだ後に心が豊かになるような文章を心がけています。 好物はカレーとサーモンです。Twitter、note。
■書籍情報
鈴木絢音1st写真集『光の角度』
定価:2,200円(税込)
出版社:幻冬舎
公式サイト