『鬼滅の刃』“かまぼこ隊”の魅力とは? 支え合う人間関係が教えてくれること
『鬼滅の刃』のアニメ映画化『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』によって、よりフォーカスされている“かまぼこ隊”。この“かまぼこ隊”とは、主人公・竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助のトリオを指す、いわばチーム名のこと(炭治郎の妹・禰豆子を含める場合もアリ)。本作にあまり関心がなくとも、彼らのことは知っているという方も多いだろう。そんな“かまぼこ隊”の関係性には、本作における一つの大きな魅力が詰まっているように思う。
あらかじめことわっておくが、“かまぼこ隊”とは一部のファンが彼らを呼称するときに用いるもので、公式名称ではない。ここではこのトリオの関係性について言及するのだが、愛らしい彼らに親しみを込め、“かまぼこ隊”と呼ぶことにする。ことの発端は、第4巻27話でのこと。一戦を交えたばかりの炭治郎に向かって伊之助が、「かまぼこ権八郎!! お前に勝つ!!」と名前を間違えたのがはじまり。その後も伊之助はこれでもかと炭治郎の名を呼び間違えるが(わざととしか思えない)、この「かまぼこ権八郎」という名がファンの間で人気を博し、彼らのことを“かまぼこ隊”と呼ぶようになったのだ(そういえば、かの煉獄さんも炭治郎のことえを「溝口少年」などと呼んでいた……)。
このようにして名前を間違えられた炭治郎は“ツッコミ”を入れるのだが、かといって彼がこのトリオのツッコミ担当というわけではないことは多くの方が知るとおり。炭治郎は生来の底抜けの優しさや生真面目さがたたって、世間の感覚とのズレを生み、それがボケに転じることがある。目上の者に対しても、「間違っている」と感じれば噛みつかずにはおれないのが彼の性分だ。いわゆる一般的な常識からズレており、そのへんを心得ている善逸がここではツッコミに回る。相手が強者だと見れば、とにもかくにも飛びかかろうとする伊之助などはみなから総ツッコミだ。