『ハイキュー!!』木兎と赤葦、長所を引き立て合う幸せな関係を考察

赤葦がいたから今の木兎がいる

 ライバルやチームメイト。多かれ少なかれ、影響を与えられた人物がいて今の自分がいる。多くの人間はそうだ。赤葦にとって、梟谷にいたこと、木兎がそばにいたことは大きかったが、それは木兎にとっても同じのように思う。

 赤葦はなにを考えているんだろう、何を見ているんだろう。木兎にとって赤葦は、自分にないものを持っているプレーヤーだ。きっと興味津々に見ていたような気がする。木兎が難しい言葉を使っているのを見ると、きっと赤葦が言っていたのを聞いたのだろうと想像してしまう。

 赤葦は、現在マンガの編集者になっている。木兎ととの関係を見ていると、きっとどんな天才マンガ家とタッグを組むことになっても、得意の冷静さと観察力で実力を引き出すことができるだろうと分かる。(作中でタッグを組むことになる漫画家はかつての小さな巨人・宇内天満なのだが……!)

 セッターはスパイカーの道を切り開く。赤葦は輝く誰かのために、道を作る。そんな彼の長所を最初に見出したのは木兎なのかもしれない。

(文=ふくだりょうこ(@pukuryo))

■書籍情報
『ハイキュー!!』(ジャンプ・コミックス)既刊44巻
著者:古舘春一
出版社:株式会社 集英社
https://www.shonenjump.com/j/rensai/haikyu.html

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