『鬼滅の刃』は『SLAM DUNK』の記録を越えるか? ジャンプ作品が上位席巻、コミックス週間ベストセラー

週間ベストセラー【コミックス】ランキング(2020年10月6日トーハン調べ)

1位『鬼滅の刃』(22) 吾峠呼世晴 集英社
2位『約束のネバーランド』(20) 白井カイウ(原作)/出水ぽすか(作画) 集英社
3位『呪術廻戦』(13) 芥見下々 集英社
4位『ONE PIECE』(97) 尾田栄一郎 集英社
5位『BURN THE WITCH』(1) 久保帯人 集英社
6位『ブラッククローバー』(26) 田畠裕基 集英社
7位『キングダム』(59) 原泰久 集英社
8位『異世界居酒屋「のぶ」』(11) 蝉川夏哉(原作)/ヴァージニア二等兵(漫画)/転(キャラクター原案) KADOKAWA
9位『終わりのセラフ』(22) 鏡貴也(原作)/山本ヤマト(漫画)/降矢大輔(コンテ構成) 集英社
10位『終末のワルキューレ』(8) アジチカ(作画)/梅村真也(原作)/フクイタクミ(構成) コアミックス

 10月6日トーハン調べの週間ベストセラーランキングの結果が出た。「コミックス」のジャンルの1位が『鬼滅の刃』の22巻というのは、まあ誰もが予想していた通りだとは思うが、2位から6位までもすべて『週刊少年ジャンプ』連載作の新刊(※)であり、あらためて「ジャンプ・ブランド」の強さを世に知らしめる結果となった。

(※)『ONE PIECE』97巻のみ9月に発売されたもので、それ以外は10月2日発売の新刊。

 なかでも、いま最も勢いに乗っているのは3位の『呪術廻戦』ではないだろうか。この10月からテレビアニメの放送も始まり、今後の視聴者の盛り上がり方次第では、昨年『鬼滅の刃』が見せたのと同じような爆発的なブレイクもありうるかもしれない。

 また、2位の『約束のネバーランド』は、この20巻が最終巻。『鬼滅の刃』とともにここ数年の『少年ジャンプ』を支えてきた問答無用のヒット作だが、人気があるからといってあえて物語を引き延ばさずに、描くべきことを描いて幕を引いた潔い作品であった(同じことは『鬼滅の刃』についてもいえるだろう)。

 さて、1位の『鬼滅の刃』だが、毎回ランキングの順位を「鬼滅一色」に染め上げていた頃に比べたら、やや既刊の売れ方が落ち着きを見せ始めてはいるものの、あいかわらず強いといえば強い。何しろ、今回の22巻を含めたシリーズ累計発行部数は1億部を突破しているのだ。今後も、劇場版アニメ(『無限列車編』)の公開でさらに盛り上がることだろうし、最終巻となる23巻(12月4日発売予定)が出る頃には、もしかしたら、シリーズ累計1億2000万部発行(2018年のデータ)といわれている『SLAM DUNK』(井上雄彦)と肩を並べているかもしれない。いずれにせよ、この出版不況といわれている昨今、化け物のような数字である。

 最後に、今回ランクインしたなかで、個人的に最も注目している作品を紹介したい。それは、『BLEACH』の久保帯人の新作、『BURN THE WITCH』だ(5位)。

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