奥山かずさ、写真集『AIKAGI』の見事な肉体表現 スラッとした背中で語る“覚悟”

幅広い表情を見せる背中

 特に本作で注目したいのが背中だ。グラビアの背後カットは珍しいことではないが、他の写真集と比べても比較的多いように感じるし、まさに「背中で語る」という言葉がピタリとハマるほど、スラッとした背中から強い情熱を感じる。自分では見にくい部位であるからこそ、ケアも難しく、自分も知らない自分が写る背中。その背中を自信を持って見せる姿に、やはり勇しさや逞しさを強く感じた。奥山かずさの魅力は、この背中が物語っていると言っても、きっと過言ではない。

 本作を撮影したのは写真家の中村昇。『週刊プレイボーイ』の撮り下ろしでも奥山かずさとタッグを組んだことがあり、その時のインタビューで奥山かずさは「これまでのカメラマンさんと違ってあまりシャッターも押してもらえないし、今までにやってこなかったことも要求されたりして。」と語っている(女優・奥山かずさが台湾ロケで見せた"奇跡のバックショット"の舞台裏とは?「布が一枚あるかないかで感情が全然違うんです」より)。本作もまた、焦らすようなテンポ感でじっくりと撮影されたのだろう。ひとつの表情が、どこまでもリアルで、情熱的に写っている。ページをめくる度に、ゾワゾワと静かに胸が高鳴った。

 この情熱、この生感。「愛鍵」を持つことでしか覗くことのできない、奥山かずさのありのままが詰まった『AIKAGI』は、彼女にとっても大きな布石となる一冊となったに違いない。

■とり
日々グラビアに勇気と希望をもらって生きており、 グラビアを熱くドラマチックに語るのが趣味。 読んだ後に心が豊かになるような文章を心がけています。 好物はカレーとサーモンです。Twitter:@seikatsu_torinote

■書籍情報
奥山かずさ写真集『 AIKAGI 』
写真:中村 昇
価格:3,300円(税込)
出版社:ワニブックス
販売サイト

関連記事