連載企画「本と芸人」第3回

トータルテンボスが選ぶ、“お茶を飲みながら”楽しみたい3冊 驚きの連発だったサスペンスとは?

 お笑い芸人にオススメの本や漫画を紹介してもらう連載企画『本と芸人』。第3回に登場するのは、DVD『トータルテンボス全国漫才ツアー2019「CHATSUMI」』をリリースするトータルテンボス (藤田憲右/大村朋宏)。『M-1グランプリ』では3度決勝へ、『爆笑オンエアバトルチャンピオン大会』(NHK)では番組史上初となる3連覇を達成するなどの実力派漫才師である彼らは、2006年から毎年のように全国ツアーを開催している。静岡県出身でもある彼らにツアータイトルの“茶摘み”にかけて、お茶を飲みながらリラックスしているときに読みたい本3冊を、それぞれ選んでもらった(タカモトアキ)。

野球関連の本ばかり読んでいる藤田が選んだ3冊

藤田:本を読むのは、まさにホッとしている時。夏はベランダでビールを飲みながら、あとトイレで読むことが多いですね。仕事柄、移動も多いので、飛行機の中や滞在中のホテルで読んだりとゆったりとした時間に読書を楽しんでいます。

『あのプロ野球選手の少年時代』(花田雪/宝島社)

 野球に詳しくない人でも知ってる超有名なプロ野球選手の少年時代を、当時のコーチや関係者に取材してまとめた1冊。プロになるくらいの選手は子供時代からすごかっただろうと思われがちですけど、この本に取材されている選手はみんな、当時関わっていた人たちがこぞって今のプレースタイルになるとは想像できなかったと語ってる。それが面白い。僕の子供も今、野球をやってるんですけど、野球をやってる子供を持つ親御さんに読んでもらいたいなと思いますし、子供たちが読んでも勇気をもらえるんじゃないかなと。あと、指導の仕方についても触れられているので、実際に子供たちへ指導している方が読んでも楽しいと思います。

『神様が創った試合―山下・星稜VS尾藤・箕島延長|8回の真実』(松下茂典/ベースボール・マガジン社)

 高校野球102年の歴史の中で、いろんな試合を観てきた人たちが全員オススメに挙げるのが、この本で取り上げられている一戦。試合の様子がドキュメンタリーのように描かれていて、当時の思いが書かれているだけではなく、今になって当時の関係者に聞いた話も詰まっていて、こんなにドラマチックだったんだって改めて感動させられます。野球にあまり詳しくない人たちでも観に行くほど人気となっている高校野球ですけど、少しでも興味を持っている人なら読んで損はない1冊ですね。

『新しい少年野球の教科書-科学的コーチングで身につく野球技術』(川村卓/カンゼン)

 少年野球の指導法って僕らが小学生だった頃と今、まったく違っていて、真逆だなと感じることがいっぱいあるんです。例えば、昔は部活中に水も飲んじゃいけなかったじゃないですか。筑波大学の教授が書いた本なんですけど、これを読むと当時、野球部だった人たちは“あの頃、俺らがやってたことって間違いだらけだったんじゃん!”ってびっくりすると思います。今、子供が野球やっていることもあって熟読している1冊です。

サスペンス好きの大村が選んだ小説3作品

大村:僕は移動中の新幹線や飛行機で、本を読むことが多いですね。映画を観ることも多いんですけど、イヤホンの充電が切れていた時には近くの本屋で買って読んでいます。

『イニシエーション・ラブ』(乾くるみ/文春文庫)

 サスペンスやラストシーンが衝撃的な小説が好きなんですけど、この本を最後まで読み終えた時、本当に驚きました。映像化もされたので、最後がどう表現されたのか気になって観に行ったんですけど、うまくできていて面白かったですね。いやぁ、度肝抜かれたなぁ。とにかく驚きが欲しいという人に読んでほしいです。

『medium 霊媒探偵城塚翡翠』(相澤沙呼/講談社)

 この本も驚きの連発。1マジで? が来たあとに、2マジで? が訪れます。おそらく1マジで? だけだったらそこまでの驚きにはならなかったのかもしれないですけど、その上をいくマジで? が来て、やられた! っていう気持ちになりましたね。僕は伏線を回収するような話もすごく好きで、これがどう繋がっていくんだろうとは思いながら読むことを楽しんでいるんです。漫才を作る時もただの単発のボケで終わらせないというか、最後に全部回収できるような伏線ボケを入れたネタを作ってみたりすることもあります。

『手紙』(東野圭吾/文春文庫)

 サスペンス作ではないですけど、切ない描写に胸が締め付けられた1冊。東野圭吾さんの人間描写にはすごく惹かれます。小説を読んで号泣してしまったので、映画も観に行ったんですけど、山田孝之さんと玉山鉄二さんが素晴らしくてまた号泣しました。