鈴木愛理、10代最後の写真集『泳がない夏』が名作たる理由 完璧な表情に漂う、当時の℃-uteの熱量

 そして何よりも素晴らしいのは、冒頭にも書いた、すべての写真から漂うその熱量だ。圧倒的な実力を持ちながらもなかなか世間からは注目されず、それでも諦めることなく地道な活動を続け、ようやく報われ始めていたとき。そんなときだからこそ、写真から伝わってくるものがある。team ℃-ute(℃-uteファンの総称)として「ペンタグラム」ツアーと「トレジャーボックス」ツアーに地方を含め、何公演も足を運んだ身としては、いつでも熱い気持ちにさせてくれる、こんな作品があるだけでこの上なく嬉しい。音楽や映画、本でも、人生でそんな作品にいくつも出会わないものだと思うし、これから読む人にもそれは伝わるのではないだろうか?

 ℃-uteは解散してしまったが、令和となった今も鈴木愛理は歌い続け、進化し続けている。7年のときを経て電子化されたタイミングで、昔からのファンには、改めてそのときのことを思い出して欲しいし、ソロアーティストになってから鈴木愛理を知った人には、本作をきっかけに、鈴木愛理の歩んできたストーリーに目を向けてみて欲しいと思う。

■書籍情報
『泳がない夏』(電子版)
著者:鈴木愛理
撮影:西田幸樹
価格:1,980円(税込)
出版社:ワニブックス
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