『宇宙兄弟』六太は優柔不断で日々人はヒーロータイプ? FFS理論でわかる、人それぞれの強み
あなたには、誰にも負けない強みはあるだろうか? そう聞かれても、自信を持って「これが自分の強みだ」と答えられる日本人は多くはないだろう。では、あなたには弱みはあるだろうか? 完璧な人間などいないのだから、人は誰しもコンプレックスのひとつやふたつは持っているものだ。
「彼女の方が判断力が優れている」、「彼の方がマーケティングの経験が豊富だ」、「あの人の方が背が高い」などなど。生まれつきの特性から、人生でくぐり抜けた経験の種類や量まで、全ての人間は均質ではない。
そう、全く同じ人間など存在せず、人は誰もが個性を持っている。そして、強みや弱みも他者との関係性や、各人の立ち位置でいかようにも変わるものなのだ。『宇宙兄弟とFFS理論が教えてくれる あなたの知らないあなたの強み』ではFFS理論を用い、マンガ『宇宙兄弟』の登場人物を具体例として、人が持つ個性への理解を深める方法論を展開していく。
FFS理論とは……five factors & stressの頭文字をとった理論であり、人の特性を「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」に分類し、各性質のストレッサーを定義し、それぞれが最も能力を発揮できる条件を探っていく。自分の個性を理解し、他者の強みを認め、お互いの長所を活かす組織を作り上げる方法論だ。
同じ環境や刺激に対しても、ストレスの感じ方は人によって異なる。例えば、勉強をするときに、カフェの雑音の中にいる方がリラックスできるという人もいれば、周囲の話し声が気になる人もいる。図書館の静けさが落ち着くという人もいれば、むしろ物音一つ立てられないため集中出来ない人もいるだろう。
また、この理論の特色としては、単に人を分類するのではなく、5つの因子を数値化し、人の思考行動パターンに影響を与えている因子の保有率を分析していく点だ。よって一人の人間が一つの因子のみを持つわけではない。そして、5つの因子とは以下である。