BKB(バイク川崎バイク)が語る、短編小説に込めた理想の自分 「さりげなく優しくできる人になりたいのかも」

僕自身もさりげなく優しくできる人になりたい

——全作読ませていただいたのですが、さりげなく素敵なことをやってのける、自意識の過剰さがないハンサムさが際立つ登場人物が多いようにも感じました。

BKB:あぁ! 確かに正面から優しくカッコつけてる人が多かったかもしれないですね。憧れもあるんでしょうね、そういう表現に。……もしかしたら、僕自身もそういうさりげなく優しくできる人になりたいのかもしれない。だってねぇ、女の子とゴハンに行って壁際に座る男はダメじゃないですか、絶対に。でも、座っちゃう男はごまんといるわけで……ってちゃうかな?(笑)

——壁際のソファ席にドカッと座る男性って確かにいますよね。

BKB:ねぇ? そうやって男性がイニシアチブを取ってるのは、違和感があるというか。もちろん女性にゴハンを作ってもらえたら嬉しいですし、作ってもらってる間に漫画を読めたらいいなという気持ちもあります。けど、スマートに気を遣える男になりたいので、そういう理想を自然と反映してしまったのかもしれないですね。……これ言うのは恥ずかしいんですけど、本当に言いたいことを短編に置き換えたりしてるところもあるんですよ。例えば、僕、自己啓発が好きなんですけど、自分の言葉として書くのは恥ずかしいじゃないですか。こんなふうに考えたほうがいいよって僕として発言しても芸人がやかましいわ! と思われてしまうので、登場人物に照れくさいことを代わりに言ってもらっているようなところはあります。……あれ? なんか僕、ヤバいこと言ってるかもしれないです(笑)。

——いえいえ、書いてるものって自分の分身でもあるはずなので、気持ちが反映されるのは自然なことだと思いますよ。

BKB:そうですよね。その辺は小説憧れもあるんだと思います。あとね、普段話してる関西弁を出すか、迷ったこともあったんですよ。けど、使うのが難しかったんで結局、標準語ですべて書きました。

——それを言うなら、芸人さんのお話がなかったのも意外ではありました。人物やエピソードを描く上で、身近にいる人って題材にしやすいと思うんですけど。

BKB:ほんまや。芸人の話は書こうとも思わなかったですね。……この前ね、又吉(直樹)さん原作の映画『劇場』を観たんですよ。役者の話ですけど芸人も似たようなところがあるので、描写がすごくわかるというか。ずっと現場にイライラしてる評価されへん男が優しい彼女に甘え続けるってめっちゃあるあるですし、全てを包み込んでくれる女性って素敵ですよねぇ。

——バイクさん、だいぶ話が逸れてます(笑)。

BKB:あぁ!……でも、確かになんで芸人を題材にしようと思わんかったんやろう? 身近すぎてオチが思いつかなかったのかもしれないし、自分と近い存在すぎて思いつかなかったのかもしれないですね。

——今後もショートショートは書き続けられるんですか?

BKB:せっかく本になったので、やめはしないでしょうね。とにかくこの本を多くの方に手に取ってもらって、BKBネタ以外のイメージを持ってくれる人が増えればいいなと。“BKBって言ってるだけでしょ”って勝手に判断して勝手にSNSで呟いてくれてる人がいますけど、呟くくらいなら検索してこの小説にたどり着いてもらえたら。僕はBKBネタだけじゃなく単独ライブや1人コントもしてますので、これを機にいろんなことをしてるんだって知ってもらえたら嬉しいですね。(B)膨大な数の人に(K)この(B)ブックを手に取って欲しい! BKB! ヒィーア!!

■書籍情報
『BKBショートショート小説集 電話をしてるふり』(ヨシモトブックス)
著者:バイク川崎バイク
発売元:ワニブックス
価格:本体1,200円+税
https://books.yoshimoto.co.jp/yoshimoto-books/bkb.html

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